7月29日 渇水の渓にみだれ斑紋

 参議院選挙の日、期日前投票を済ませていたので、今日ものんびり渓に向かう。
渓谷沿いに延びる林道もだんだん狭くなり、左右から延びた枝・葉がJimnyの両サイドをバシバシ打つ。瀬音が聞こえないぞ、車を止め耳をすませても聞こえない。林道の下、例年であれば勢いのある瀬音が深い渓谷からこだまして聞こえ、それが蝉と合唱すると山にも夏の暑さがおとずれる。しかし、その渓を下る水が例年の半分以下だ。車止めから下の渓を覗くと流れにまったく勢いが無い。



 入渓地標高が300mで1KM程遡行し、100mの標高差を上る。大きい滝は無いが落ち込みの連続で、通常年だと遡行に右・左と巻きながらの遡行なのに、今日はストレートに真ん中を直登できる。



 こんなに水が少ないと、瀬で餌獲りができないからほとんと影が見えない。上の写真のポイントも、正面の丸い石の下に餌をねじ込んでやっと出てきた。引っ張り出せたのは良いほうで、ちょっと油断すると石の間に挟まって引き出せない事もある。



 ナメ状態の瀬が100mほど続く、ここは川虫もいないので岩魚も居着かない。ここはドンドン上る。









 そろそろ、魚止め。連続して3箇所の落ち込みで音沙汰無し。行程で1kmほどをゆっくり3時間遊んだ。



 石の下から引っ張り出した、ちょっと黒い岩魚。



 上、下、同じ岩魚だが頭から背にかけての斑紋が乱れている。ほかの魚体もよく見ると乱れている、もしかすると、この源頭まで放流物が上ってきているのかもしれない。尾が大きいのでそれほど気にかけなかったが、渓の途中には魚止めのような滝が無いから此処まで上ってきて生き延びているのかな。



 このネットの中の3本も『みだれ斑紋』。もともと深山源頭に生息している岩魚も先人が滝上放流したもの。でもそれは滝下から、同じ沢、同じ渓の岩魚を滝上放流したものだと先輩渓師に聴いた。その渓に我身を置く。時には自分の滝上放流とかってに決め込んで、密かに持ち上げている藪沢源頭で、にんまり楽しんでいる舘の主人が居る。



 渓沿いを飾る、オオバキボウシ



 初めて気がつきシャッターを切った、タニジャコウソウ



 サワアジサイ




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