7月22日 半月ぶりの渓
ぐずる梅雨空と仕事とのタイミングが合わなく、半月ぶりの釣行だ。天気予報では、今日から晴れると出ているのに、朝の空は雨雲、今にも落ちてきそう。それでも、落ちてきたら帰ってこようと、先ずは山に向かう。
郡境を超え、尾根を走っているうち空に青空が見えてきた。沿岸から内陸に入ったからかと空を仰ぎ、今日一日ゆっくり遊べそうだと同行のS氏とニンマリ。
入渓地点まで40分、きれいに枝打ちされて足元まで陽が射し込み気持ちのいい杉林を、周りに何か花が咲いていないかなと探しながら、ゆっくり のんびり歩を進める。
杉林を通過するとブナ林に入る。枝を伸ばし、葉を広げ、林床にはもう直ぐ陽が射し込めなくなる。
標高320mのブナ原生林.。
入渓地は空も開けた、明るい渓だ。水位が下がり、岩魚も隠れ場所や居着き場所が狭まり、餌獲りにも難儀しているだろう。釣り人にはポイントが定まり、竿を振りやすくなり好都合なのだ。
ナメ状態の連続落ち込みも、いつもなら左右の壁を伝い巻くのに、今日は直登遡行でドンドン登る事ができる。
狭い落ち込みで、根がかり かと思うほどアタリも無く、引いても寄ってこなかった29cm。きっと、岩の陰に身を寄せていたのだろう。
今日の、大物一番。30cmジャスト。浅い瀬に出ていた奴の鼻先に餌を放り込んだ。咥えてから、その水の少ない瀬をジャブジャブと上に走り出した。チョウチン仕掛けでは一緒に走らなければならないよ。岩魚に走らされたのは初めてだ。竿を立てるまでの5〜6m程の走りだったが。
今の時期、遅咲きのショウキラン。水辺に1本だけ、ちょっと増水になると流されそうな場所だ。ショウキランと遭うのは、いつもこのような水辺で、翌年同じ場所で見ることは無い。
入渓から、4時間30分。ちょろちょろ水状態、いつもの水量であれば、まだこのあたりまでは上ってきているのに、今日は影すら見えない。高度計が430mを指している、高度差110mの遡行だ。ここで納竿。
ちょっと、陽のかげった、午後4時30分のブナ林。日がかげるとブナ林は急に薄暗くなる。早く降りよう、熊が動き出す前に。
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