6月 8日 踊り子草(オドリコソウ)・延根千鳥(ノビネチドリ)と岩魚たち
1本の沢を日帰りで全遡行する為の作戦だ。いつも同行するS氏の車両も出して、2台で山に向かう。1台を今日の遡行の終了地点から林道に上る場所、標高600m程に置き、今上ってきた林道を8km程下り下降入渓地点到着。要するに、帰りに8kmの林道を歩かなくとも良いように、楽をしようとの作戦だ。これで、帰りの事を考えないで、ゆっくり釣行できる。
渓沿いの僅かに残る軌道跡の仙道を暫く登る。よほど注意して歩かないと、ここが軌道跡だと気が付かない。崩落した土砂、木々の根の下に腐った枕木が見える箇所がある。下の渓から聴こえてくる瀬音は水量が下がっているので心なしか寂しく低く、うるさい位の春蝉の鳴き声にかき消されてしまう。
軌道跡から渓に降立った。下降地点は決めてあった、昨年遡行したときに 踊り子草 にお目にかかった地点に下りたかったからだ。やっぱり、咲いていた。昨年は6月18日だったから、10日早い。今年は極端に雪が少なかったからだろう。
緩やかな水辺の斜面の10uほどの狭い箇所に群生し咲いている。
オドリコソウをデジカメに収め、一休みしながら周りを眺める。始めて見る花が対岸に一株だけ、目だつ色合いで咲いている。もちろん名前はわからない。周りを見わたしてもこれ一株だけ。1本しかないのが不思議だった。帰宅後、山野草のサイトで絵合わせ。ノビネチドリ(延根千鳥)ラン科多年草と判明。秋田県版レッドデータブック植物編だと、秋田県準絶滅危惧種とある。1株だけだったのを納得。来シーズンに又この渓に降り立つ楽しみが増えた。盗掘に会わないことを祈る。
30〜40分程、山野草と遊んでしまった。さーあ次は岩魚モードだ。岩魚も待ててくれたように遊んでくれる。右、左と走りながら上流に引きづり込み、竿を果敢に絞り込んでくれる。
ちょっと遅合わせで喉深くに掛かり、痛めてしまった。この岩魚はリリースしないで頂いてきた。
マルマルと肥っていて重かった。ネットに手をかけたが木が有り、上にも抜けなく、竿をたたみ、ユックリたぐりよせた。
源頭部での岩魚の居着き場所、棲家。本流と違い大淵は無い。岩魚が身を隠し、我々釣り人の餌に騙されない為の、倒木だらけの連続する小さい落ち込み。餌を落としこめる場所を見出せれば、釣り人の勝ち。
この、チョロチョロ状態の沢でもまだ岩魚が居る。でもこの辺で納竿。種沢として残しおく舘の大事なホームグランドの沢だから。
ブナの林幹から尾根が見えてきた。ここまで、5時間30分の遡行・釣行だ、御疲れさんでした。そろそろ、今朝林道に置いた車をめがけてこのブナの斜面をよじ登る地点だ。目標を誤ると車から遠く離れた場所に辿り着くので、いつもの目標としているぶなの木を探して登り始める。
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