岩魚は何を見つめ、何を探す、生きるための岩魚達の環境は?
     画像で捉えた岩魚の目線そこから彼ら岩魚には何が見えているのか


  1 自然こそ俺たち岩魚の原点だ

   俺たち岩魚の棲んでいる山、渓谷はいつの時代にどうやって出来たのだろう。
     地球誕生から数億年、生命の起源が誕生し、さらに数億年、氷河期から中生代へ、恐竜が誕生
     したと言うことは魚類など両生類、爬虫類、鳥類などが現れ岩魚の祖先と考えられる魚もこの頃
     出現して、繰り返された氷河期を生き抜き新生代から現代へと進化してきたのが今の俺たち岩
     魚の姿かな。
      地球には水が有り、その水で陸と海が分断され、自然界が見えてきた。そこには火山活動が
     有り、プレート移動があり、マグマの隆起、それらから造山と形成、浸食があって標高の高い山
     岳が形成され、同じように平坦地、平野、低い山、渓が形成されて行った。又、地球には東西
     南北があり気温の変化、気候の違い変化があり、その為に、その土地に棲む人間、動物、昆虫、
     魚、鳥それらの生物にも変化が見られる、それはその生物の生存できる最適な条件の土地、
     海域、河川、山岳を選び生存し続けている。
      海と山渓を往来して生きてきたが、海水温が徐々に上昇して海へ下降できなくなり陸封された
     岩魚属として棲息してきた、又、人間のワガママからダム、堰堤に陸封された、その陸封された
     渓で人間の遊びのお相手とされる仲間もいる。養殖場は稚魚の人工繁殖をし、これを食用と
     増殖用と釣り堀用、遊漁放流用として、又、放流魚と天然魚を混合して産卵して増殖を促す、
     これもやっぱし人間のワガママだな。

     

      長い年月で形成された標高の高い山岳、里山渓、平野、針葉樹林帯と広葉樹林帯、それに、
     そこには樹林を育む浸透水とそこから浸み出し、渓に棲む生物の生長を促す水系がある。
      舘の主人が遊んでいる秋田市周辺の山渓の標高は比較的低く、1000m前後が主体で山岳
     とは言えない山並み、その周辺の山は、太平山が1170m、白子森1179m、番鳥森1030m
     丹波森1031m、大石岳1059m、と周りを囲む峰がほぼ1100m前後、それでもそこには戦
     後の伐採、乱伐から逃れたブナの原生林、ミズナラ、サワグルミの広葉樹林とその混成林、そし
     て伐採後の植林造林された秋田スギが十分な姿かたちを残している。今、その森は恵みを与え
     てくれます、近年の大雨豪雨の斜面崩落、地すべり、鉄砲水等を防いでくれる、俺たち岩魚にも
     途切れることのない流と恵みを与えてくれる

      
           ブナ原生林
     枯葉が腐蝕土壌となり沢山の水を蓄え広葉樹林を育み、浸み出す水で俺達の仲間、岩魚の繁
     殖を促し自然と共生する

      
             積み重なった落ち葉から芽を出す ギンリョウソウ、カタクリの花
             春先の芽吹き、新緑前の陽光が射し込むうちに山野草が一斉に
             芽を出し、花を咲かせる。
             人間の姿をしたギンリョウソウ、釣竿をもたせるかな?

     雪の重みで枝が折れたり、年輪を重ねたブナは根元から倒れたり、これがブナ原生林の姿なの
     だ、お日さまが射し込み自然再生で新たに芽生えて来ます。

     

     吹雪と烈風が吹きすさぶ冬のブナ林から芽吹きの季節へ
     もうすぐ射し込む陽光で春の季節に彩られる

     

     俺たち岩魚の棲んでいる渓、最高の生息環境だよ、水生昆虫、落下昆虫、それに熊の親子も
     餌探しでうろうろしているよ。

     

     ほぼ源頭域だけれどまだまだ上に、渓の奥に遡上出来るのだ、秋から初冬の産卵期にはもっと
     奥に遡上するよ。この峰は未だ伐採も植林もされたことのない原生林の渓で、廃林道跡も林鉄
     の痕も無く、目に付くのは獣道だけ、これでは釣竿を持った釣りバカは登ってこれないよ

              

     ブナ林と造林地の境界線に沿ってとっくの昔にその役目を終えた林鉄の残骸が山のゴミとなっ
     て散乱している、鉄路もそのままだと大雨豪雨で俺たちの渓、棲家としている淵にずり落ちて
     来るときもあるのだ。

      
        秋田スギの植林造成林                    林鉄の残骸  森のゴミ

     

     キレイニ伐採された山、遠くに見える山も伐採中、ここからの細い流れも無くなってしまいそう。

     伐採集積場  林道が補修整備されて運材用の大型トラックが何台も入ってくる。

     


      2  棲家、生息域の渓   すすむ

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