7月 8日 熊と岩魚の渓

3週間ぶりの釣行です、梅雨の合間に洪水注意報と、秋田市でも水田冠水と
床下浸水等被害が出た。1ヶ月分の雨が1日で降ったんだから無理もない。
川の水位は未だ下がらないが源頭部まで上ったら下がってるだろうと先ずは
向かってみる。
ダム上迄来るとだいぶ下がってきた、どんどん車を進め支流の支流の枝沢
を見るとこれなら入れそうともくろんだ沢へ向かう。
途中の林道はもう深緑、緑のトンネルだ。下界は蒸し暑い今日だがこの
トンネルはエアコンなどいらね、ヒンヤリして気持ちえど。
林道も尾根つたいに出ると空は青空、深い渓から吹き上がってくる冷たい
風が心地よい。



山菜採りも居なくなった山は行き交う車も無く賑やかな蝉の声と時折小鳥の声が
が聞こえる初夏の様相です。
入渓して直ぐ熊の痕跡です、無理もない熊のテリトリーの真っ只中に入ろうとしている
のだから。
ミョウサクの若芽を喰い散らかして上によじ登った跡、踏み潰した状態から小熊連れ
のようだ。ミョウサクを食んだ痕は方々で見る、その度にホイッスルを吹き鳴らしなが
ら右手で竿を持ちポイントに餌を放り込む、ホイッスルを吹いても岩魚は餌に喰らい
ついて来る。警戒心の強い魚と言われながらも腹を空かしていると餌取りをするんだ。



タケノコの食み痕もある、それにミョウサクが何所の沢よりも多いため熊もそれを
喰うため動き回っているのかも。瀬音で熊鈴の音はかき消されるが高音の鈴の音
は熊には聞こえているはず、二人の鈴が鳴っているんだから。



ホイッスルを鳴らし、熊鈴を鳴らしながらでも淵毎、落ち込みごとに岩魚は出てくる
源頭の藪沢なのでデッカイのは出てこないが1年生から3年生が出る、1,2年生
はお帰り願い、3年魚の育ちの良いのを6本ばかり頂いた。



完全にサビも取れてその淵、落ち込みの明るさに合わせた色合いの肌になる事が
保護色となり身を守るのだろう。
釣り人以外その成長を妨げる動物は居ないだろうに。



ふきの葉が大きい為たいして大きく見えない岩魚、尾の大きい『源頭まで上って
きたぞ』と言いたげなマルマルと肥った岩魚。



前方に空が見えてきてそろそろ終了の藪沢、だけども未だ岩魚が居る、この
チョロチョロの沢になっても魚止めがない。
でも竿をタタミ、この上は種沢としておこう。
3時30分、納竿。



一株のショウキラン、ブナ林まで上ってきたので目に入った。
ショウキランを見るのは山釣りに転向してから4回目です、何時も陽の射し込まない
薄暗いブナ林床に妖しくひっそりと咲いています。葉緑素を持たない腐生植物と
言うそうです。



このブナ林をよじ登って尾根を走る林道に出て今日の7時間の釣行が終了します。





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