溪歩きの独り言
三内川 脇神沢源流部
溪歩きの独り言 もくじ
ページ
1~78 森と語り 流れとかたり 岩魚と語る
79~91 不思議な魚 それは岩魚
斑紋のみだれ
チィントー岩魚
銀毛岩魚か
92~100 森で逢いたくない獣 熊が居る
遭っても言葉は交わさない
101~124 山野草 花 とかたる
125 舘の主人が遊んでいる自然はいろいろ
126~127 流れの画像
射し込む日光を受けて黄金色に輝く清流の小岩、その流れに岩魚が出てきた
溪歩きの独り言
森と語り 岩魚と語る
林道を離れ、雑木林に入っていく、風に揺れる木々、枝のきしみは、周りの
木々枝葉から挨拶されているように聞える。
その森の草、枝葉をこぎながら、わずかに姿を見せる細い廃林道をゆっくりと
歩む。源頭の細い溪に 足元を探り、枝や木に捕まりながら降りられそうな斜面
を探し、ここなら降りられそうだなと構えながら下降する。
初めての溪に降りるときには斜面、岩壁を選ぶときから慎重さが必要なのだ、
でも、溪に降り立ったら、釣行準備 OK だよ 幸い体調も健康体なので準備は
整っているのだ、 岩魚君達にもうすぐ朝の挨拶が出来る,でも、今日のこの溪は
岩壁の溪だな、流れも大岩の流れ、落込みの連続、でもこの溪こそが岩魚の隠れ
場所、棲息域なのだ。
岩に腰掛けて中硬調に仕掛けを結び準備しながら流れの上の淵、淀みを覘く、
いる、いる 居るよ。
『おーい 初めての流れに降りた遊び人 岩魚の舘 の主人、見えるよ』
1
おーい 遊ばしてくれよ、 いいかな 『 あーあ いいよ 遊んであげるよ
自分だけでないから 上流に行くと大勢いるよ 』
ありがとう、それじゃ 餌を入れるよ 深く飲み込まないでね、
『うん わかった、美味しそうな餌だね 』
うん美味しいよ ブナ虫 と言うのだよ、そーそー 軽く咬んでね
はい、はい寄ってきたね きれいな斑紋だね 『この斑紋は流れと
棲んでいる岩下で決まるのだよ 』 そうなの
きれいな流れでの生活、棲息。舘の主人もこの流れと森を体感したくて奧へ
奥へと登ってくるのだよ、あんた方にも逢いたくて
此処まで登って来ると、もう自分一人ではないよ、
あんた方と、 遊べるのだもの、この広い自然の森で。
幸い 釣りバカが遊びまわっている 太平山 そして白子森から 流れ下る
それぞれの渓谷には自分以外の釣人は少なく 岩魚、山女魚も自然繁殖し
又、鳥獣たちも賑やかに自分の前に現れたりする このように人と自然との
バランスはとれているようだな。
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太平山とそれに連なる標高1000m前後の山並み
中岳952m 剣岳1054m 太平山1170m
頂上に三吉神社
周辺の山並み 馬場目岳 1057m 白子森 1179m
番鳥森 1130m 丹波森 1031m
里山に若葉が点々と燃え立つ頃は風も和らいでくる、
遠くで雪山が春の陽気にまどろむこの季節、
3
田んぼには水が引かれ、農家の人達は、ぼちぼち耕作に取りかかる。
里山から林道をゆっくり ノンビリ歩き、奥山へ入り込んでいく、
太い巨木と、それを支えるように広葉樹林帯が続く。
風に揺れる木々のきしみは、まるで林の挨拶のように聞える
しばらく歩くと足元は廃林道と変わり草木に覆わされてきた
溪に沿った廃林道は川音、瀬音も
好い話し相手になってくれる、
そこに岩魚君達が潜んで居そうな淵を教えてくれる。
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だいぶ奥山に入ってきた、
1人での沢歩き 単独釣行 孤独感は全く感じない、
孤独感と 独りで居ることは異なるのです、
独りで居る時間のなかで心から楽しめて 心が休まり
森の豊かさ感じる営みを心に持っている。
それが 釣りほど最適なものはありません。
単独釣行は 楽しい時間 釣りは自然と自分との遊び、
同じ 独りでも、 釣り道具を相手にするより 自然の森の中で
生命感を感じ、 触れて そこに ワクワク感を感じる。
自己との対話 独り言もあるが 釣りする事で 森の
仲間達とも会話が出来る、 それが 岩魚 山女魚だったり
突然現れる 熊さん だったり 鳥の鳴き声に聞き入ったり
風に揺れる木々の葉音 それは 自然を感じさせるリズム
は賑やかだよ。
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森の風 流れの風 に立つ、
木々の芽吹きも、流れも、
岩魚も、全てが一体となって
この釣りバカを誘込んでいるのだ
誘い込んで永遠の春の中に連れ込んで行こうとする、
それと年を重ねたせいだろうか、
溪で春に包まれたいという気持ちが強くなったようだ。
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静かな新緑の中で瀬音だけが森にリズムを奏でているようだ、
流れは速いが、小さな落込みには静かな淵があり、
今日、一緒に遊んでくれる。
『 岩魚君が居るよ 』 と瀬音が教えてくれるよ。
溪の日陰には未だ残雪が残っている早春の溪。
岩見川本流から細い支流に入りこむ、いつもどおり釣り人とは会わず
まるで今日のこの支流が舘の貸し切りだよ。
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ほーら 影が見えてきた、
『 俺達、岩魚の棲息する源頭部の水温は
なかなか上がらない、
でも 適水温がおよそ5℃から15℃、
夏の最高水温が20℃くらい、
が棲息の下限 上限だよ 』。
大して広くない淵なので、
遊び場所も狭いのかな
2尾 居るのかな、枯れ葉と一緒に スーと動いて居るのが見える。
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『 いる いる 』『 いるぞ いるぞ 』流れに一番ふさわしい姿だ
やっぱり 2尾、 雄 かな 雌 かな、
産卵行動には未だ。
ちょっと時期が早いのでは、
9月中旬から11月が産卵行動の時期のはず、
遊びか 餌探しかな。
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竿を絞られながら岸に引き寄せた 実に穏やかな表情をしている
おーい しばらくぶりだな きれいな斑紋だな。
『 そうだよ 俺達の棲息域の溪は細いが奥が深く、
そこに閉じ込められたように
狭いけれど 十分な棲息域だよ、
そこで産卵棲息 だから乱れがでないのだよ』
『 溪は細く結構 急流域だよ
でも ゆっくり出来る瀬や淵 淀みが多くあるので
住みやすいのだ、 』いい棲息域なのだな。
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ここでちょっとだけ遊ばしてよ、
あら お腹が空いているのかな 水生昆虫が居なかったのかな
『 シマッタ ブドウ虫を ほおばってしまったようだ 』針の付いた餌に
即 飛びついてきたよ、 いいよ いいよ 直ぐ流れに戻すから。
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遡行し慣れた溪 でも そこに来るたびに 岩魚君に逢えるとは
限らないのだ。
今 自分はこの細溪の流れに立っているに過ぎない、
その 歴史ある流れは 私の生まれるずっと前から絶えず
変化を起こしながら歴史を積み重ねてきた その断片に 今の
自分が取り付いて居るのだ。
そこで 岩魚君と遊ぶのだと言いながら がつがつ ガンガン と
岩魚釣りにはまり込んでいる、
それが 釣りや自然の発見や その自然への独り言だったり
その時間は限りなくつき その自然にはまり込んでしまうよ。
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流れに乗っている昆虫、
何の虫だろうカゲロウかな
それともちょっとパタパタして水面に落下したチョウかも
それを追って岩魚が踊り出して飛び出てきたよ、
細溪の源頭部 それも奥の奥で見た岩魚たちの食料とする
生き物たちなのかも
渓谷斜面に長い間の年輪を重ねた古木も見えてきたぞ
小石から大岩、岩壁の渓谷らしくなってきたようだ、
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春なのに吹雪いてきたよ 山 森全体が真っ白になった、
粉雪を払いながら 吹雪が止まないかなと 空を見上げながら 歩む、
吹雪が去った直後の、ブナの森の霧氷の風景は見事だ、純白の花が
満開に咲いたようであり、幻想的な美しさを秘めている。
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山の 奥へ 奥へ と行くとまだまだ残雪があるのです、 流れの水温が
5℃以上に上昇してくると 岩魚君に遊んでもらえるのです。
流れは、すっかり雪代に染まっている 青々としたその淀みに餌を入れた
今日、最初の、暴れんぼう 浅く掛かったので傷ナシで外し、
雪にポン、『 雪の上は冷たいよ 今日の流れはちょっと暖かいのに』
あーそうか ごめん直ぐ流れに戻すから ごめんね。
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雪代岩魚君 黒サビが未だ取れてないようだ。『 釣りバカが登ってくるの
が早いのだ 』、『 でも もうすぐ黒サビは取れて綺麗な斑紋になるよ、』
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オラも未だ真っ黒だよ、この細い溪で残雪が消え去るのに未だ日数が
掛かるから、
『 残雪が消えたら 又きてよ 俺達 綺麗になっているから 』
まだ雪の凍った魂が所々に転がって、
雪代の水かさが日増しに多くなっている最中かな。
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『 今は まだちょっと冷たいが 5℃くらいから黒サビのまま淵から出て
くるよ、』
『 これから温だまり15℃と、夏には流れが20℃位まで上がる沢、
溪が有る、あまり上昇しない溪を選択しての棲息だよ。黒サビも取れてきて
きれいな斑紋が見えてきたよ、』『 でも ポンと雪の上に置かれると冷たいよ、
』
『 黒サビが取れてきたぞ どうだ 綺麗な白い斑紋がみえてきたでしょう 』
『 でも さっきの餌についていた針はちょっと痛かったぞ 』ごめん ごめん。
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お日さまの射し込まない斜面に未だ雪がてんてんと残っているよ、
山釣りを始めたことによって、もっと深く、自然と直接結びついた。
岩魚というマカフシギな生き物、森や渓流の環境自体と自分が結びついたと
いう感覚。この感覚が貴重なのだ、人が自然に対する尊敬の念、
そのすべてを含めて自然が素晴らしい。つまり、山釣り、渓流釣り、岩魚釣り
、の知的な遊びとも言える。
大きな自然体の中での、
山渓遊びなのだ。
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森と源流の流れ 芽吹き前の木々 そこには未だ残雪 、
そこに単独釣行を楽しんでいる釣りバカが 自然の中で、 森で 生命感を感じ
孤独とは感じない 自然の森との会話をしながら自己との対話も深まっていく、
そこに 突然 カモシカの親子と向き合っている。
岩魚君達と話をしているので しばらく気が付かなかった、残雪の斜面に
カモシカの親子だよ カモシカが親子で居るのは珍しいよ。
暫くお互いに目を合わせて 見つめ合っていたよ、のんびりとカメラに収めさせて
もらった。親子で会うのは 熊の親子に林道を車で走行中に 子連れ3匹に
よく会うの、 10分ほど仲良く遊んだ親子面会だ
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残雪のある淵から遊びに付き合ってくれた黒サビが取れて斑紋のきれいな
可愛い岩魚君、 未だ2年魚かな 早く大きくなろうね 。
流れも徐々に穏やかな流れになってきた、岩魚君達も岩陰から 暖まってきた
水の流れに出てくる頃だな
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深い森 閑散とした森 ゆるやかな低山、
木々も生育しない生育限界の高山、渓谷の割り込んだ厳しい森、
その昔 人間が勝手に掘り進んだ鉱山、国立公園のような人が管理して
いる森。森もいろいろだな、人間が入り込み管理伐採、植林など。
全く人間が手を付けない森 それが天然そして自然の森かな。
天然の森、そこにはいろんな命が育まれている、森が育てているのか、
生命体がそれぞれの生き方を主張しながらの生育、成長なのか、自然
天然は解ら
ないことばっかり。
森の木々、そこに成長する枝、葉、木の実。地面には草、苔、草花
から実、根菜、そし、土中には虫等の他に草の根、
これらを森に棲息する生命体は生きる糧として確保する。
地球にあるって言うことは森にもある、一番大事な空気があるのだよ、
全ての生命体でその空気の中での棲息だ、
人間もその仲間だよ
その森を独り占めして居るのだよ 森にひたり 流れにドップリと浸り
此が自然なのかなと 自覚することが出来る
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いつ見ても源流の流れは素晴らしい 生き生きしている
そこに岩魚の喰い付きは微妙に変化する、季節によって、時間によって、
水量によっても微妙に変化する、不思議な岩魚の習性を知る事によって、
その棲息と生活を知る、そこに生活空間は溪に溶け込んでいる釣り人、
舘の釣りバカ を受け入れている。
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糸がぐんと張った 煥発をいれず えも言われぬ感触が伝わってきた
中硬調の竿も十分に絞り込まれた これが渓流釣りの醍醐味だ
これを この暴れ君が 釣りバカ を楽しませてくれるのだよ
おおーお 来た きた 暴れ者かな、『 そうじゃないよ 針付きの餌に、
だまされたようだ、お腹がすいていたよ、』わかった わかった
遊びに付き合ってもらったな、直ぐ岩下に戻すから、
でも いい顔をしているな、元気に大きくなって。
一尾ずつ釣り、一尾ずつ手に触れ、
一尾ずつ顔、目を見ることによって
その岩魚君の個性を感じとることが出来る。
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遊ばしてもらったよ
『 針の付いたブドウ虫を追っかけて喰いついてしまった 』
わかった 直ぐ流れに戻ってもらうよ
でも 好い目をしているな
どんな餌でも目に入りそう
『 そうだよ 俺達の目は大きいのだよ
近くから遠くまで見えるように、
上流から下がってくる虫
は絶対見逃さないよ 』
。
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岩魚君の居そうな淵、
白泡の切れ目の流れに狙いを付けて、
中硬調を振って餌を投げ、
水面に落ちたブドウ虫が もがきながら、
オモリに引かれ沈み込んで岩魚を誘う。
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餌付き針は人間の作り物と見破られる事は無く、
喰いついてくるよ
大胆なのだよ、
源頭の岩魚君は本当に大胆だよ。
その 岩魚君をキクサキイチゲの咲いている足元に引き上げた
『 花のそばで撮ってくれて ありがとう 何という花ですか 』
キクサキイチゲと言うよ
1本の草に1輪の花を咲かせるのでイチゲと言うらしい
『 オラも もうちょっと綺麗に撮ってもらいたいよ 』
ごめん ごめん 。
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好いぞ いい顔をしているよ
直ぐ流れに戻すから。『 陸に上がったら いつもの釣りバカだったよ
今日も元気に山にきてくれたのだ、水温も暖かくなったし、
元気にしているよ、ノンビリと遊んでいって。 』
うん うん ありがとう.
岩魚君の喰い付きは微妙に変化する、落込みの流れの強さ 淵の深さ 瀬に
射し込むお日様の明るさ それが水量 水温 日照 等 季節によって、
時間によって、微妙に変化する。岩魚の習性を知る事によって、
その生活を知る、そこに その生活習慣の溪に溶け込んでいる釣り人、
舘の釣りバカ を受け入れる。
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『 好い流れだよ、俺達の住処とする溪としては最高の溪だよ
淵も広く、深さもあるよ、岩陰の住処もあるよ。 』
深みのある瀨脇に岩魚が見える、餌をその瀬頭から流したが岩魚は
動かない、瀬の底にへばりついたまま動こうとしない、
そこで餌をブドウ虫から、ミミズに取り替えて瀬底に流した、
岩魚の動くのが見えた、
喰いつくか、と岩魚を見ながら緊張し、来たら合わせようと
中硬調を握り直して構えた、
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突然、岩魚がグルット反転するように動いた、
喰いついたぞと合わせた、
しかし喰いついて居なかった、
岩魚君は見えなくなった。
久しぶりに、岩魚君と一騎打ちをやった気分だ、負けた岩魚バカ
『 上流にはブナ林もあるのでシーズンにはブナ虫の落下が多いよ
ブナ虫から水性昆虫と食料が豊富なので早く大きくなるのだ。 』
連続落込みの細溪、遡行しやすい なだらかな溪だ
でも 足元に注意してよと 溪を支える大岩が つぶやいているよ
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『 舘の主人さん と遊んじゃったよ 舘の主人は こっちがちょっと
大きいものだから、ネットを出して よういっしょ と淵にあげられたよ、
でも そのまま放してくれた 』ちょっと痩せた長身岩魚君 餌が少なかった
のかな 岩魚はヤマメに比べて体高が低くて野菜のゴボウのようだと言われるが
今日のデカはちょっと細いよ、一杯食べて 早く太れと流れに戻す
緩い流れに戻しても 直ぐには動かなかった 暫くそこに留まってから
ゆっくりと 流れの弱い瀬を選んでいるような この細い岩魚君 弱っているな
でも もう一度太くなってよ デッカクなってよ と励ます。
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デカさんの住家だよ、岩下に見えているよ 流れに出てきたよ
その流れでライズ 流れが呼吸しているように見える
餌を入れるからな、
針付きを淵の落込み 白泡の流れの下に入れた、
その餌を 追って舞い始めたよ まるで岩魚のドラマだよ
針を咥えたまま 自分の淵で 舞い始めたよ、
『 岩魚バカは引き上げないのかな、 自分では針を外せないし、
一度陸にあげてよ、針を外してよ 』『 綺麗な斑紋だろう おら
まざりっけの無いエゾイワナだもの 』
ごめん ごめん直ぐ針を外すよ。
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舘の主人は、静かに流れに溶け込んで、その流れが不自然にならないように、
石、岩を転がさないように、ゆっくり遡上する
即 喰い結いてきたよ デカさん 引き上げるよ 『 美味しそうな餌だもの
食べたくなるよ 釣り上げの遊びだもの 引き上げたら流れに戻してよ 』
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溪での孤独感と 一人で居ることは異なり、
独りで居る時間の中で心から楽しめて、
心が休まり豊かさを感じる営みをもっている、
その点で釣りほど最適なものはありません。
単独釣行は実に楽しい時間です、
釣りは自然と自分との遊びだ
でも 年をかさねたせいかな、細溪で 春に包まれたい
自然の山に包まれたい という気持ちが 強くなってきた
その 誘惑の中での 山遊び 岩魚遊びなのだな
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おい その腹 どうした なにを喰ったのだ 、
閉じ込められた細溪で、黒サビのような体色、
今の時期に受精卵を抱えているわけ無いよな、
『食べ過ぎたようだよ ブナ虫の幼虫を食ったよ
一杯落ちてきたよ 俺のほかに仲間も一緒に食べたよ 』
ブナ虫はブナアオシャチホコという蛾の幼虫で
俺達の大好物なのだ、ブナの葉から流れに落下した幼虫を腹一杯喰うよ、
それで、まるまる太って脂肪分を貯えるのだよ
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瀬音だけの溪 枝葉を揺するだけの風は吹いていない
静かな溪、その静かな瀬が自分に話しかけているようだ
自然の営みは音のない世界かも
その静かな溪を遡行し
そこにどっぷりと浸っているのだ
その 音のない世界でも 流れの白い底石の色に合わせた
魚体の岩魚君が 流れの中でノンビリ ゆっくり ユラユラして居る
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『 釣りバカ は 自分が思っているより大胆な奴だよ、
清流の瀨脇で、時を忘れ、時を無駄使いするということは
大胆な行いなのだ、なぜならその時、釣りバカは時を超えて
神秘に満ちた野生の時間を、生きているからである 』。
『 ひっぱり上げられるより ネットの方が痛くないのでいいよ、 』
『 釣りバカは 喜んでいるよ
自分がちょっとデカなものだから
でも シャッター切ったら、流れに戻してよ 』
まかせて 撮ったら瀬に戻すよ
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岩魚を釣り上げた、あの瞬間は、
なんとも言えないが、釣果云々よりも、
中硬調を通して、岩魚君、
そして自然と対話すること、
これが好きです。
『 これくらいの高さの滝だと俺達は遡上できないよ
だからこの滝が 釣りバカが喜ぶ 魚止めの滝となるのだ 』
『 餌の虫が一杯流れ落ちてくる、
ここで棲息する仲間が多いよ、
でも 強い順、大きい順 と生きながらえるには
いろいろ条件があるのだ
我々岩魚の生息は難しいよ 』
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魚止の滝、釣りバカの遊びとしては、最高のポイント、
デカが居るかもしれないと、期待して、
そのデカに振り回されて楽しんでしまう、
でも、楽しんだら、放流だよ、
魚止でのデカを捕ってしまうと繁殖に支障を来すよ、
放流、放流、溪と岩魚君を大事にしよう。
雪に閉じ込められた細溪、冷水域に棲息しなければならない冬期間、
食糧の水虫も、流れてくる昆虫も居ない、この時期は食いが出来ない
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食糧欠乏なのだ、岩魚たちは衰弱している。春の陽光が降り注ぎ、
風薫る季節に移ると、流れが温だまってくる、そうすると岩魚君達の
動きが活発になるぞ
『 黒サビ はもうちょっとで取り切れるよ
そうすると綺麗な岩魚らしい斑紋に姿を変えるから、
でも仲間にはいろんな斑紋があるよ
棲んでいる溪 水温 森の姿 いろいろな棲息域の
自然状態で おら達もいろいろだよ
おらはエゾイワナ系だよ 』
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『 舘の主人が、石の上をピョン ピョン と跳ねて渡ってくるよ
流れが細く緩やかな支流の支流、
こんな所でも俺達は生きられるよ、
水中昆虫、流れに落ちてくる虫
食べるには困らないよ、
釣りバカは こんな所には遊んでくれそうな
岩魚さんはいないだろうと
隣の溪に行くよ 』
41
こんにちは
針付き餌は初めてだったかな
まだ若い岩魚君だからな
『 まだ2年半ほどで
若いと言われれば若いが
一人前に流れの淵を確保して居るぞ 』
それに 体色がちょっと茶褐色だね 流れの底の茶色い
小石が川底を染めているので 岩魚君も その保護色を
しているのかも
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釣り人、舘の主人は、周囲が大自然に囲まれた場所、
人里離れた場所、人の気配のない場所 などに好んで入り込む癖がある。
簡単に辿り着けない遠くの山、溪も結構入りたい川、溪こそ好物だ。
入りたい溪、訪ねたい溪、そこに行きたい。
釣れるかどうかは、別だよ、ただ 、1度入ってみたい、
この気持ちだ。
もしかして岩魚君達に逢えるかも。
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ところが、斜面を草、枝に掴まれながら溪に降りた
すると いつもの渓相が一変していた。
周辺の木々の幹と その林立は変わらないのに、溪の流れの色調が
黒ずんでいる。
そこに射し込んでいるはずの太陽のお日様が射し込んでいない。
シーズンに一度しか入溪しないので 木々の枝 葉が
伸びて、お日様を遮ったか 又、今日の霧に閉ざされたのか
でも、足元に びっしりと生えていている水苔 鮮やかな緑も
ひときわ目立つよ
薄暗さのある流れでも 白斑点を煌びやかに魅せる
岩魚君はよく動いているよ 鰭を動かしているのが見える
このような 光景が 岩魚バカの釣り心を誘うのだよ
自然に溶け込めるのも このような状況から始まる
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ごめんね あんたもまだ若者のようだな
『 そうだよ やっとこ 独り立ち 餌を確保できる
ポイントも有るし、もう俺一人で喰っていけるよ 』
45
『 余計な物を口にふくんでしまった
釣りバカ の遊びに付き合うつもりはなかったが、
最近、周辺に餌がいなくなって
お腹すかしているよ 』
『でも 直ぐ流れに戻してくれた
釣りバカも 俺達の繁殖を考えているようだ 』
46
姿は見えないけれど 林の奥から 鳥の声が聞える キイーキイー
なんの鳥だろう、林は閑散としたブナ林と密生の広葉樹林
ブナ林からの鳴き声だ ブナと会話をしているのかな
里山の溪、
そこは、人知れず残存する秘境ともいうべき地域であった、
その中を流れる流域を形成する岩の造形は、
岩魚たちの棲息域として格好の淵や、
せせらぎの場や瀬を造り、
それが多くの岩魚たちの繁殖
を促している。
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暴れ君 あれ おとなしいよ
『 俺達の仲間は 暴れもんだ
きかんぼう だと言われるが
性格はおとなしいのだよ
棲息場所が激流に近い所での棲息なので
ノンビリと出来ないのだよ 』
48
『 釣りバカ に遊ばれた 針を外そうとして
淵をぐんぐん がりがり 引っ張り回した、
それが かえって釣りバカを喜ばしたらしい 』
『 竿を絞られながら 十二分に楽しんだのかな
写真撮って直ぐ放してくれたよ 』
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下手から、ふわりと風のように中硬調を振った、下流から釣り上るのは、
岩魚たちが上流を向いて、流れてくる餌を待っているから、
岩魚が居ると思えるポイントより遙か上流に餌を振り込み、攻めるのだよ。
又、泡立つ淵では泡を打つように振り込むのは、泡の中を狙うのではなく、
泡から瀬にかかるポイントに餌を流すようにする。
幼顔だね
『 そうだよ まだ2才だもの 食べ物も 簡単に捉えられる食物 虫
に限られるよ でも一杯食べて 早く大きくなりたいよ
そして淵を一人締めにしたいよ 』
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細溪を足元だけを見ながらの遡行
ひょいっと顔を上げて びっくり仰天、
びっくりしたー 一瞬 後退り 大きい目をした熊に見えたのだ
ふうーとため息
クマじゃないよ
あーびっくりした 古流倒木の根っこ部分だな
仲良くしてくれ、古木クマさん
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支流の支流 更に遡上して その渓谷の最源流部の落込み その 領域を
自分の棲息域として確保した幼顔の岩魚君 その元気な岩魚君と遊べた
針付きぶどう虫を振り込むときは 深さのある淵なので デカを期待した 岩魚バカ
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最高の竿絞りをして
岩魚バカを喜ばしてくれたよ
『 あんたを喜ばすために ぐいぐい 引き回したり
ガリガリ引き込んだわけではないよ
針を外したくて 引き回したのだ 』
だけど 外れなかったようだな 釣り針は 掛かったら
簡単には外れないよ いいよ 直ぐ 流れに戻すから
遊ばしてもらった ありがとう
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『 しまった 遊びに付き合ってしまった 』
そんな 顔を隠すことないよ
綺麗な斑紋だ 体色も白っぽく 明るく
薄茶色っぽい小石の瀬だからなのかな
『 仲間から 話には聞いていたけれど 針付き餌は初めてだよ 』
画像を撮ってから流れに戻すから 大丈夫
『 早く戻してよ 』
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岩魚は体型が細く、
水量が少ない沢のような溪、
落差がある水域でも、
岩陰や川岸のエグレの中の
わずかな緩流帯に身を潜めての棲息が可能、
体高の半分の深さがあれば、
その中を這うように移動することが出来る
『 わーお 捕まってしまった
遊びに付き合うよ
痛いから ぎっしり握らないで 』
わかった わかった
みんな元気だな
こっちも元気に遊べるぞ
55
綺麗な白い斑点の岩魚、
里山の支流細渓、その源流域での
繁殖、生育、隣の支流からの混成も無く
水質も、食料とする水生昆虫、落下昆虫も
豊富なのかも、
生育環境もよく、仲間達も綺麗に
成長しているのだな。
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このような源流域は大事にしたい。
森林の伐採、乱伐で水量が著しく減少し、降雨時には
赤褐色の濁水が流れる時もある、そうなると伐採前の
森林細溪の岩石、瀬、淵、等まるっきり換わり、岩魚の影すら
見えなくなる
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流れの瀬から上がってきたな
『そうだよ 瀬に出て遊んでいたから
そこに餌が流れてきたよ 』
こっちも 早く合わせるから
飲み込まないでね
傷を付けないように針を外すから、
来シーズンも遊んでもらいたいから
大事にしたいよ
58
岩苔の斜面、登りきる上流まで
岩苔と草が多い細溪、
岩魚君達が大勢で棲息しているのは
それだけ餌となる水生昆虫
枝葉から落ちる虫、
棲息域としては最高の溪だ、
岩魚バカの遊びの溪としても最高だな
59
何を喰った お腹がいっぱいだ 膨らんでいるよ
それでも針付きの餌に喰いつくのか、
食い過ぎだよ
『 俺達は目の前に食い物があるうちは
一生懸命食べるのだ
無いときにはお腹を空にしている時もあるよ
だから食べられる時に食べる
これが習慣だよ 』
60
シッポの大きい幼い岩魚君
暴れん坊の目かな
元気に飛び回るよ
釣りバカの
中硬調をちょっとだけ絞ってくれたよ
61
この お顔 だと 雌岩魚さんだね
『 そうだよ 仲間は一杯いるよ
晩秋の紅葉が真っ盛りのころだよ
上流に登りちょっと広めの瀬で産卵床作りをするよ
シッポに傷を付けるときもある
それが もぅ直ぐだから 早く放して 』
うんわかった わかった
62
岩魚の産卵期は10月下旬ころから
11月中旬頃までです
その産卵期前に、岩魚の雌は産卵床作りをします、
それが、釣バカ達がそろそろ禁漁期が近くなってきた頃の
9月の中旬頃から始まります。
産卵床は、掘られたくぼみと、
くぼみを造るために払いだされて
できた下流の砂じんの小さなやまからなります
そこで、雌 雄 の産卵受精行動がなされて、
岩魚の増殖が期待されます
細い溪が 益々細くなり 陽も射し込みにくい、
薄暗い溪になってきたようだ
樹木も世代交代して 太い倒木の根からは新たに若木が
元気よく育っているようだ
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細溪をゆっくり遡行する、
深みのある瀨脇に岩魚君が見える、
餌をその瀬頭から流したが岩魚は動かなかった、
瀬の底にへばりついたまま動こうとしない、
そこで餌を、ブドウ虫からミミズに取り替えて瀬底に流した、
岩魚の動くのが見えたよ、喰いつくかと動きを見ながら緊張し、
喰いついたら合わせようと中硬調を握り直して構えた、
突然、岩魚がグルット反転するように動いた、ようし喰いついたと合わせる、
しかし喰い付いて居なかった、久しぶりのデカと一騎打ちだったのに、
岩魚バカは負けたよ。
64
今時 未だ黒サビが取り切れてないのは 住み処が相当深い
岩下だな 『 そうだよ 餌もその生息して居る岩下に入ってくるよ、
だから外に出る必要も無いよ』 好いところに住んでいのだな
針付き餌も入っていったのか それにしても すごいお腹 何を食べたのだ
針の付いた ブドウ虫なんかに飛び付かなくたって
『 そうだよ 針が付いているなんて 気が付かなかったよ
美味しそうな虫と見えたのだよ 』
ごめん ごめん すぐ流れに戻すからな。
65
遊ばしてもらったよ 十二分に中硬調竿を絞ってくれた、
傷つけないようにと、あんたの引っ張りに合わせて瀬に入って
振り回されたよ
『 そんなに振り回すつもりはないよ
針を外したいので引っ張り込んだりするのだ 』
でも 好い顔しているよ
『 これが俺たち 岩魚の顔だ 』
66
舘の主人の秘密の谷、此処は自分だけの溪なんだよ、
本流からの入り口が樹木に覆われていて 本流を釣り上っている人も
気が付かない細溪だよ、その秘密の溪で 自分だけが遊べるのだよ、
この自然を一人締め出来るよ、ゆっくり ノンビリと竿出しをして
この細溪に棲息している岩魚君達と遊べる、深林、樹木を含め、
射し込むお日様も、
此が自然だと、そこで十分に自然を感じとることが出来る
67
ちょっと傷を付けてしまった ごめんね 『 痛いよ 深く飲み
込んだのがいけなかったようだ 針を外すのに難ぎしたようだ 』
ごめん 直ぐ流れに
戻すからね
釣りバカ を喜ばすよ 30cmを超えるデカだよ 『 淵を
3箇所行ったり 来たりして居るよ それだけ多く食べているよ 』
流れに戻すから
デッカク成って 来シーズンにもう一度
遊んでよ, お願い。
68
久しぶりに訪れた細溪で歓迎してくれた 元気な岩魚君たち
『 未だ小さいときにも あんたと遊んだよ
その時は やっと ぶどう虫を咥えたのだった 』
そうか 1年魚にも遊んでもらって 2度目のぶどう虫ですか ありがとう
此処は支流の支流 この支流中流域でデカ岩魚君を探しながら遡行し
途中から又支流細溪に入る
69
『 どうだ デッカイだろう がんがん振り回したけれど 引き上げられた 』
でっかいぞ ほー 33cmだよ 狭い淵だったが よく喰っているな
『 上の淵 下の淵もオラの住処だよ 餌はけっこう流れてくるよ
川虫もいるよ 』『 もっと大きくなって 来年 又待っているから
流れに戻してよ 』
よし直ぐ放すよ もっと大きくなってよ
デカを釣り上げて 大喜びしているよ
『 釣りバカが ほんとうにバカになっている時だよ 』
引き寄せるまで 上流 下流 また あっちの淵 こっちの瀬 と
ありったけ振り回されたよ でも それが楽しみなのだよ
岩魚君は なんとかして 針を外そうと
するが喉に深く掛かってしまっているので
簡単には外れないよ 傷を付けないように 丁寧に外すよ
70
『 おー オラを遊び相手か?
俺は前にも針付き餌に喰いついたことがあるが
上手いぐあいに針が外れてくれたよ 今回は外れなかった
ブドウ虫は美味いが 針は痛いよ 』
遊んでくれて ありがとう 直ぐ流れに戻すよ
こんど 又 遊びに来た時に付きあってね。
岩魚 本来の顔 厳つい頭 それに目
それは 野性味と獰猛さ これが本来の岩魚なのだよ.
71
釣りバカが遊ぶには最高の渓谷だよ 急な大岩斜面遡行はないし、
広々として熊がいると見えるし 流れもいいので岩魚さん達がいて、
遊んでくれるし
『 釣り餌にだまされてしまった 痛かったよ でも 普段あまり見ることのない
美味しそうに見えるよ ブドウ虫 と言うのか 一気に飲み込んでしまった
ので ちょっと傷を付けられたよ 』 ごめん 傷を付けてしまって
直ぐ流れに戻すから
72
おーオ ちょっとデカだな 枯れ葉の岸に引き上げたので
葉っぱだらけ『 此処の淵で長く生活していたのに
釣りバカがきたか まー いいや 放してよ 』
『 この溪は細いけれど餌が豊富なので 仲間が多いよ
でも あまり遊びすぎないで 』
うん うんうん 分かった、オラもここは 大事にしたい流だから、
この流れからは持ち帰りが無いよ
仲間も増やしてよ
『わかったよ また来年に 遊びに来てよ 』
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ダムを過ぎる頃から林道は徐々に荒れてきた
ジムニーのワダチが残るほどだ、
荒れた林道を進む、しばらく深く切れ込んだ渓谷を真下に眺め、
岩壁の狭い林道を注意しながら進む。
ちょっと怖い、ゆっくりと慎重にハンドルを握る
さらに奥深く、今度は ぐしゃ ぐしゃ の廃林道を登る
定めてある入渓下降地点に駐車
ここから溪に入る 此処がその溪の遡行出発点の門
74
スタートの淵から いつも出てくるのですよ
遊び相手の岩魚君が その岩魚君があんただよ
『 あんたの遊び相手か まあいいか、あんたなら直ぐ放してくれるから、
此処は良い溪なんだよ だからあんたも来るのか
そうか遊びの拠点なのか 』
ありがとう 今日もみんなに遊んでもらったよ
『 おら その先頭で遊んであげたよ 優しく ゆっくりと引き
上げてくれた
放してよ 』 わかったよ 今すぐ流れに戻すから
75
2連滝 左は未だ岩魚が遡上できる傾斜の落込み小滝
でも登って直ぐ 次の 小滝で 魚止滝だよ
76
『 無茶しないで ゆっくり引き寄せてよ 遊んであげているのだから
この細溪では一番のデカだよ それだけナガク 強く生きているから
でも針付き餌に飛びついてしまった』
ちょっと白斑紋に乱れがあるね
下の支流細溪からこっちに遡上してきたか;
久しぶり あんたは昨シーズンも遊んでくれたよ 腹ビレにちょっと
切り込みを入れたのだ、それが未だ残っているよ ビックリだ
会いたいと思って ちょっと傷を付けたのだった、又会えるなんて思わな
かったよ
付き合ってくれてありがとう 来シーズンも逢いたいよ、
『 逢いたいよ 遊びたいよ 待っているから必ず来てよ 』
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こっそり 静かに 岸部に立って水辺を眺めると あんた達が見えるよ
ユックリ ノンビリと瀬から淵を行ったり来たりして居るようだな
餌を流すからな そうそう ゆっくりと喰いついて こっちもユックリ
と引き寄せるから 遊ぼうよ
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不思議な魚 それは岩魚
渓流魚 里山でも 山女魚が棲息し その上流に入ると
そこには岩魚が居るよ 岩陰に潜む魚 それが岩魚なのだ
山岳渓流まで登らなくとも 里の支流の支流には居るよ
秋田の河川には いろいろ棲息しているよ
清流河川で棲息するものから
秋田県の2大河川の雄物川 米代川に春に産卵のために
海から遡上してくる魚 ワカサギ イトヨ アユ 等 又 河川陸封は
一杯居る、ウグイ マルタ カジカ コイ フナ 等々 さらに生息環境
が河川でも本流から支流へと遡上する
清流中流域から源流域を棲息域とする ヤマメ やイワナ
その岩魚にもいろいろあるのだ
外観上でも 体色の違い 斑紋の形状 色 斑紋の無いのも居る共通して
いるのは 胸ビレ 腹ビレ 尻ビレの前縁が白くなっていること
これが一番、の判断できる 岩魚だぞと 白斑紋はちょっと乱れているが
79
斑紋のちょっとの乱れは 渓谷 支流ごとに体側の乱れ
体色の違い等 普通に見られる岩魚たちです
体色の違い 斑紋の乱れ等 1尾 1尾 それぞれ違ってきます
80
釣り上げる毎に その斑紋を確認するのも楽しみの一つ
岩魚独特の流れの底石の色に合わせた体色、肌色の変化もあるようだ
このような 強烈な野性味 それが深山の淵に潜むという神秘性
81
チントー岩魚と比較してみて
謎の異型岩魚を釣り上げる
頭の潰れた岩魚 チントーイワナ
ウワアゴの無い岩魚 変な岩魚を釣り上げたものだ
チントー岩魚と言うようだ 。
秋田県では 米代川で本流から隔離された支流で棲息しているのが
知られているが
ここ秋田市でも棲息している、
82
雄物川の支流の岩見川 それも滝や堰堤で隔離された
支流源頭部で棲息しているよ、
広く棲息分布して居るのではなさそうで この棲息支流でも隔離された
源頭部だけ、で棲息繁殖して居るよ
2012.5.13.赤倉沢 左の沢
83
2012.5.13.赤倉沢 左の沢
2013.8.28.中芝沢
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本流は同じ、三内川、そこからの支流、でもそれぞれ大滝があり、
堰堤もあり、それぞれ隔離された細溪の源頭域に棲息しているのだ。
体色、斑紋は変わりない、
頭と上顎が掛けている、
釣り針には、他の岩魚たちと変わりなく、
喰いついてきた 針掛かりは、ちょっと広い下顎に掛かっていた
異種を絶やすわけにはいかない、
針外しして、流れに戻した
2014.7.14.中芝沢
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銀毛の魚
それは岩魚か 陸封型 降海型 湖沼型 謎だらけ
岩魚と遊んでいるときに この銀毛の個体が2尾も来たのだ
岩魚の棲息域の細渓なのに こんなの始めてだった 岩魚の斑紋も
山女魚の斑紋もまるっきり無く銀色一色なのだ なんで この岩魚域に
こんなのが出てくるのだ
銀毛そのものは 渓流魚の降海型には見られる アメマス系統の降海型
に見られる体系
それも幼魚のうちのはずが 此だと 2年から3年ほどの体形だよ
もしかすると 湖沼形の変異個体かも この細溪から本流に下が
そこから暫く下ると、発電、農業用のダムが在るのだ
そのダムでの変異個体がここまで遡上してきたのかも
湖が海の代用をしたのか 山女魚の銀毛でもないし
岩魚の銀毛でもないし サクラマスの銀毛でもないようだ
それともダム湖からのウグイも似たような体型だな
ダム湖でワカサギを食べて大きく成長したのか
それ以上のことは考えられないよ
86
これが 岩魚 比較してみてください
目は岩魚君の目だよ 森と源流の瀬で見つめてきた目
釣りバカを見つめているよ
2023.9.14.協和ダム上 支流の支流
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胸鰭(ムナビレ) 腹鰭(ハラビレ) 臀鰭(シリビレ)
にある 鰭の白色縁取りが無い
やっぱり 岩魚ではない なんなのだ?
本流から朝日又沢への遡上入渓入り口での 釣りの2尾
この淵から引き上げた
88
|
岩魚の体型 部位
岩魚の身体の部位
中村智幸 著『 イワナをもっと増やしたい 』より借用
外部形態の測定部位
石城謙吉 著『 イワナの謎を追う 』より借用
89
森に逢いたくない獣 熊が居る
逢いたくない 会いたくない 遭いたくない 合いたくない遇いたくないよ
それは熊だ 熊だけは遭いたくないよ、 鉢合わせでは絶対逢いたくないよ。
逢いたくないから 朝早くには山に入らない、朝まずめ、夕まずめの竿出し
釣りは絶対しない、これが舘のルールです、朝の車から降りるのが9時頃、
その頃から林道歩き、午後は3時頃には車に帰る、これが安全釣行の第一歩。
逢いたくないと言うものの 熊だって 自然のなかの一部なのだよ
人間と同じだよ 熊だってそんなに怖い動物でもないよ 積極的に人を襲う
動物ではないし、むしろ 人から避けての成長 繁殖なのだ それが生育頭数
の増加から 自分の棲息場所の確保のために 山 森から人里に降りてきて
人様の目についてしまった チョット離れた所では逢いたいよ 今まで
に遭って 仲良くした場面
1998.6. 小阿仁川 南沢から中茂集落から渓に入る、渓から
上がったら そこに熊が居た 枯れ木を持って
大きく構えた 退散したよ その後 中茂集落の
お婆ちゃんに そこでクマに遭ったよ と言うと
ああ―その熊さん なんも悪いことしない 怖くないよ
と 言う、共生して居るのだ
2000.5. 太平川 皿見内沢 2人釣行で同行者から30m程に熊が居
92
る 竿を振り回してそこに熊が居る と知らせる ゆっくり下がる
クマは遠ざかっていった こっちが2人だったからかな
2003.6. 上荒沢 斜面左上から うううう うううう
と唸られて威嚇された ゆっくりと右斜面に登る
2004.11.県道 北野田線 下北手 宝川の水田 50m程
離れてクマが出た カメラを向ける
2007.6. 三内川 大滝上 中芝沢 カーブを曲がり2投目の
先に熊が居る 後ろ向きで夢中になって何かを食べ
ている そーと 後ずさりして退散し、その後に
『獣臭さ』を感じた
2016。6 井出舞沢 御産土沢 滝を巻こうとして斜面を登ろう
としたら うううう うううう と威嚇され 今日の
釣行を断念
2017年から セフテーエアーホーンを持って それを目一杯鳴らし
ながらの林道 廃林道 樹林帯の歩き そして釣行時に
も中間ほどのホーンの音で森に響かせての森遊び
溪遊び 岩魚遊びで
熊さんにまるっきり遭えなくなったよ、でも2022
23 24 と 秋田での熊の棲息数が
今まで考えられないほど 増繁觸してしまったようだ
住宅街出没も多くなった
90
新しい熊の足跡 エアーホンの音で下がったかな
新しい糞 今 此処で頑張ったようだ
足跡も 糞の痕も 新しいのには気をつけよう
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阿仁マタギ の『巻き狩り』に逢う 2004.5.8.
比立内川 大深沢入り口近く シカリ(頭領)と暫く話す
仕留めた熊を上で解体中とのこと
大人数で 大深沢の渓を取り囲み 何人かに手分けされた
勢子が 熊を渓から追い出して 尾根で待ち構える射手が
仕留める
追い出しにかかる領域が沢 溪が2本 3本と広く そこから鉄砲を構える
斜面まで追い出すのは大変なことようだ
92
2024(秋田魁新聞電子版インターネット記事より)
佐竹知事「クマ対策の強化図る」 6月県議会が開会
秋田県議会の6月議会が12日、開会した。佐竹敬久知事は知事説明で、
クマが国の指定管理鳥獣に追加されたことを踏まえ、
「国の支援が拡充され、取り組みを一層強化できる。
市町村と連携し、適正頭数の管理や被害防止対策の強化を図る」と述べた。
クマ出没警報、6月末まで1カ月延長 秋田県「入山禁止地域、絶対入らないで」
秋田県は29日、クマによる人身被害が相次いでいることを受け、
発令中の「ツキノワグマ出没警報」の期間を
6月末まで1カ月延長すると発表した。
クマ被害防止策強化へ、人の生活圏での取り組みに力 秋田県、当初予算案に
2億円超計上
秋田県内で昨年、クマの出没や人身被害が多発したことを受け、
県は2024年度、クマ被害防止対策を強化する。一般会計当初予算案に
関連事業費2億1994万円を計上。集落周辺の冬眠穴の調査や集落単位で
対策を進めるモデル地域の選定など、人の生活圏周辺での取り組みに力を入れる。
93
山釣り 岩魚釣り 単独釣行 1人だけでの森歩き
溪歩き これが 岩魚の舘 の森遊び 溪遊び 岩魚遊び
何です ところが 2022 2023 2024年 の
熊騒動 目撃情報と事故情報 確実に棲息頭数は増えて
増えた熊が里まで下りて来ています
この騒動で 山釣り 岩魚釣りの単独釣行は 何か
悪いことでもして居るようにみられる 山に向かえないよ
岩魚君達に逢うことができないよ
HPにも単独釣行だとアップできないかな
熊鈴 香りで近づけない
ホイッスル マタギナガサ
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熊スプレー
熊が冬眠するに枯れ倒木穴 中を覘いたけれど 居なかった
(2008.6.14 比立内川源流 真角沢 覘いたが気配無し)
それに今シーズンは2023の大雨で岩見ダム上の大規模な斜面崩落と
その手前の橋も崩落し ダム上の三内川本流 支流に まったく入溪出来
なくなっている 年内に工事は完了しないだろうから
来シーズンもダム上に入れないかもしれない
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2017年からの県の発表の棲息数は
2017年 2300頭
2018年 3700頭
2019年 4400頭
全県の棲息数を2800頭から6000頭と
算出されて、 その中間の 4400頭とした
県の捕獲上限を 800頭 ただし人の生活圏に出没した場合の
有害駆除数には制限がない
2023の年間捕獲数は 1582頭 だったが
有害駆除を含めて 2327頭
駆除か保護か と世間はわれるかもしれないが 秋田県のように
こんなに生活圏に出没されたら まずは駆除が先行だ
奥山で棲息圏を確保して居る熊の棲息数はそれぞれの広さを確保して
居るので その数は変わっていないはず 山奥に棲息域を確保できない
熊が里山から里へ そして人間の生活圏にその棲息域を広げているのだ
2004年5月8日 阿仁マタギの春熊猟でシカリに会った
比立内川支流の真角沢で 今捕獲した熊を上で解体しているのだという
96
標高 1179mの白子森での猟なのだ その時のシカリの話で
1000m程の山では おおむね20頭 そうすると県内での棲息数
2000頭程だと言う その2000頭を超える生息数になると
山合集落には出てくるし もっと多くなると 市町村の住宅街にも
出没するようにもなるよ と言われた
棲息数がどんどん増えて それが人の生活圏まで拡大されてきたのだ
秋田市周辺のちょっと高い山
太平山 1170m
馬場目岳 1057m
白子森 1179m
番鳥森 1130m
これらの山並みを行動圏として食を探し 繁殖行動が加わり
それぞれの縄張りを主張しているのだ
それが 4400頭の推測頭数なのだから 山里から住宅街まで その
棲息圏を広げているのだ
そこから 目撃数が増えて 事故が発生しているのかも
97
溪歩きのひとり言
山野草と話す
山に咲く花たち 林道の淵に咲く花 溪に降りる斜面に咲く花
溪の淵に多く咲く花、今まで89種の山野草を撮ってきました、
本掲載はほんの一部です。
びっしりと覆い茂り日光の射し込まない樹林帯の根元にびっしり
咲きしめる花たち 芽を出し始める季節 山野草の咲き始める季節と
その成長の条件を支える地面 土壌条件 草 樹木 の芽生えの条件と
その生命体を支える自然条件は 数え切れないほどだろう
山釣りで遡行すると その渓畔に 渓谷の斜面に咲く山野草はいろいろ
岩の渓谷 瀬の広い開けた溪 山の樹幹も そこに生える木々によって
山野草の生える地面 腐葉土の多い土壌にはえる山野草たち
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キクサギイチゲ 菊咲一華 3月~4月
キク科でないのに 花の咲き方がキクのようだとキクサキとしている
花は 一株に一輪だけ咲かすのでイチゲとした一つの花しか咲かせない
イチゲと付く花にはヒメイチゲ アズマイチゲ ユキワリイチゲなど
がある
落葉樹林 枯れ葉 枯れ枝の腐葉土の斜面等の群生をよく見かける
又 林道の淵にも群生している 山釣りがスタートして
遠くには未だ残雪が残って居る頃 最初に逢う山野草だよ
花のガクが10枚~12枚
シーズンが始まって最初に逢う花 今シーズンもよろしく頼むよ と
お願いします
99
ショウジョウバカマ 猩々袴 3月~4月
名前の由来はいろいろあるのだな
想像上の動物の猩猩(しょうじょう)とか 袴(ばかま)は値面に
広がった葉が能楽の袴のようだと様々だ
未だ残雪の在る時期に溪の斜面に花が咲いている時もある
日当たりの良い所で咲いているので目につきやすい
100
カタクリ 片栗 3月~4月
カタクリの群生を見ると 森にも里山にも やっと春が来た
岩魚さんとも遊べるぞと張り切るのだ 、カタクリさんはうなだれるよう
にしているよ、朝早いお日様の射し込むまではいつもこうなのです
陽が射し込んでくると根元から元気になりしぼんでいた花も蕾も
シャキッと開くよ、カタクリ斜面 凄いよ 広く群生して居る、
根が土中深く潜り込むのでどんどん増えて群生するよ
101
ミヤマカカタバミ 深山傍食(かたばみ) 3月~4月
太い3角形の小葉が3枚ずつセットになって 1つの葉になる
入溪前の廃林道から森林に分け入った時に足元に咲き誇っているよ
真っ白い花なので目立つよ ピンクの花もある 花びらは5枚
針葉樹林やスギ植林地の林床に多く生育する。
日が陰ると葉を折りたたまれたようになり片側が食われたように
なるので それでカタバミと言った(睡眠運動)
102
エンレイソウ 延齢草 3月~4月
延齢草根という胃腸薬であった説等 薬効の用途が多い
草丈が30cm程で、大きな3枚の葉を広げ、
その中央から伸びた花茎に一つの花を付ける、
葉が3枚 ガクが3枚の多年草
雄シベが6つ 雌シベが1つ
103
エゾエンゴサク 蝦夷延胡索 3月~5月
薬用植物から 球根を加工した物を延胡索と言われ
東北と北海道に自生から蝦夷(エゾ)としたようだ
花は青紫色で美しい 花は唇形で 後部は筒形である
江戸時代前期頃から薬用植物として重要だった
104
シラネアオイ 白根葵 4月~5月
1属1種で日本だけの花のようです
日光の白根山で発見されシラネと付いたそうです
花の色はピンクが一般的な色で 白色と薄空色を時々見る
花は大きく5~10cm 花の真ん中に雄蕊(オシベ)と
雌蕊(メシベ)が多数付いて居る
花びら状の ガク片 が4枚つく
105
イワウチワ 岩団扇 4月~5月
雪解け後に広葉樹林帯などでみられる
溪に降りるときの枯葉と岩の斜面に多いよ
暑いときには岩に腰掛けて団扇(ウチワ)で仰ぎ一休み
葉は常緑で光沢があり
枝が付いた形が団扇(ウチワ)に似る
106
オドリコソウ 踊子草 4月~6月
今年も来たよ みんな元気に踊っているようだな
『 そうよ みんな元気に 着物を着て踊っているのよ
どう いいでしょう 』開花中の姿を見ると櫓(やぐら)の上で花笠を
かぶった娘達が踊っているのだよ
素晴らしいよ 貴女たちに逢いたくて 毎年 ここの溪に来るのだよ
静かに岩魚釣りで遡行途中に巡り会えるよ 流れの瀬音も静かな溪で
賑やかに踊っているよ (三内川支流 大滝又沢中流域左斜面)
107
8月中旬の旧盆の頃、町や村の若衆達が櫓を組み、
盆踊りの舞台を作った。 暑い夜、浴衣に着替えた人々が櫓の建った
広場に集まってくる、竿燈の数が増え、広場が明るくなる。
いつの間にか、櫓の上には花笠を被った若い娘達が並んでいた、
笛、太鼓、鉦などのお囃子が始まり、
娘達がしなやかに踊り始める。
釣りバカが遡行しながら この 踊子草を見ると
岩魚釣りに ますます元気になるよ
そんな元気をくれる踊子草だよ。
108
ギンリョウソウ 銀竜草 4月~8月
林や森の積み重なった枯れ葉 腐葉土の多い薄暗い陽の射し込まない
限られた所に自生する。葉緑素は無く 緑の葉も無い
花は茎の頂部に一輪だけ咲く 真っ白い
竜の姿だな うす暗い林でも 真っ白い姿なので目に付くよ
しゃがんでカメラを向けると こっちを向いてくれる
腐植土分解する菌根で成長の栄養をとる
樺太から日本列島、台湾まで広く分布する
109
アキノギンリョウソウ 花期 8月~9月
ギンリョウソウ に似て秋に花を付けることからアキとした
木陰に群生する光合成を行わない腐生の草。葉緑素を全くもたないため、
新鮮なときは全体が白色、乾くと黒色になる、腐生植物
御日様の射し込まない うす暗い林を入渓地点に
向かっている時に 足元に咲いているのが
目に入る めったに見ることが出来ない花
。
110
ヒメシャガ 姫射干 花期5月~6月
溪に沿った湿った斜面でよく逢うよ 木陰や岩場に生える
一輪の花で紫と黄色と白を奏でる
花の外側に外花被(がいかひ)という大きな花びらがある。
外花被の中央には、色が抜けたように白い部分がある
花菊の高さは30cm以下、葉は淡緑色の剣方、長さ20~40cm
幅5~15cm。経4cm程の淡紫色の花を花茎に2~3個咲かせる
準絶滅危惧種」
111
ミズバショー 水芭蕉 5月~7月
小さな花の集まり 花びらは4枚、雄シベ4本 雌シベ1本
仏炎包 高さ30cm~40cm
112
サンカヨウ 山荷葉 5月~7月
梅雨時から初夏に咲いている
林道から溪に降りる林内で出会う
平地のハスを荷葉と言うように山のハスなので
サンカヨウ 山荷葉 と言ったようだ
デッカイ葉の真ん中に真っ白い花が数個、咲いている、
花が雨に濡れると透明に見える
廃林道添いの原生林で目に入った
果実は甘酸っぱくて食べられる
113
タマガワホトトギス 玉川杜鵑 6月~8月
黄色く大きな花が上を向いて歓迎してくれているよ
お花の咲く時期に釣行先に向かう渓谷添いの廃林道の山側斜面に
咲いていたのに周辺で伐採作業が始またら 林道拡幅で花が根こそぎ
無くなってしまった
此処しか見ることができなかったのに
上向きに開いた花の中央ある雌シベは3つに大きく分かれ
さらにそれぞれが二つに分かれる、6本の雄シベも立ち上がる
(岩見川支流 小又川 中流域 廃林道脇に1株しか生えていなかった)
114
オオウバユリ 大姥百合 7月~8月
びっくりしたよ 自分の背丈よりでっかいよ
花を接写撮影するのに高くて届かないよ、1.5m~2.0m
花は緑白色で10cm以上 20cm近いのもある
その花のそれぞれの向いている、方向は全方向だよ
太平川源頭部
115
ツリフネソウ 釣船草 8月~9月
名前から 釣り仲間かなと勘違いしたよ
流れの岸辺湿地の日陰に多く咲く
ホラ貝の形をした赤い花が目に入る
仲間に黄色い花のキツリフネソウ(淡黄色)にも逢っているが
同じ場所での混成はしないよ、
花の後ろに伸びた 距(きょ)がくるりと強く巻いて居るのも特徴、
全国の山 野 に咲く
116
クロバナヒキオコシ 黒花引起こし 8月~9月
花が黒紫色で唇の形をしている花を多くぶら下がったように付けている
最終釣行での溪歩きで1株に 逢っただけで 他の溪では見ていない
北海道から九州の日本海沿いに自生する
井出舞沢 西荒沢 中流域水際斜面の1カ所で一回
逢ったきり 次年度シーズンは逢えなかった
117
花は長さ5~6cmの暗紫色 上唇の花弁は反り返るように立ち上がり
下唇の花弁は舟形で前に突き出しているので とても変わった花に見える
草丈が 50cm~150cm と高い。葉には下向きの毛が生え断面は4角
118
キバナアキギリ 黄花秋桐 8月~10月
秋に淡い黄色い花を咲かせるので キバナアキギリ 群生しているので目立つ
花は淡黄色で脣形 上唇(じょうしん)は帽子状で
下唇は幅広いが浅く3裂 下唇の両側には目立つ赤斑がある花から長く
突き出た糸状の器官は花柱『雄シベ』で先が2分裂する。雄シベは
4本あるが その内の2本は上唇の中にあるこの雄シベは花粉を出す
箱形の葉も特徴的 本州から九州 秋キリのようだ
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イワキンバイ 花期は6-7月
高山地の岩場に生える多年草
三内川 の支流 高布沢の中流域の岩場で逢う
高山帯に自生する金梅で釣行途中では滅多に見ることがない 此処だけ。
5枚の花弁が 盃形に開く 葉は木葉が3枚で構成、表面には光沢がある
仲間にチシマキンバイ、ウラジロキンバイ 等
秋田県準絶滅危惧種
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イワテシオガマ 植物図鑑に 載っていないよ
秋田県 岩手県の県境の奥羽山脈にのみ自生していると言われるが
ブナ林内の急斜面や沢沿いに分布する 井出舞沢の支流 西荒沢での
源頭までの釣行を終えての下り途中の左斜面で逢ったよ その後
他の溪 場所では見当たらず
秋田県準絶滅危惧種
井出舞沢 西荒沢 中流域の斜面
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舘の主人が遊んでいる 自然にはいろいろ
高峰山岳 閉山の鉱山 低山 森 渓谷 沢 源頭部 里山
源流域 中流域 滝 谷筋 浅瀬 落込み
針葉樹林 広葉樹林 ブナ原生林 杉原生林 杉造林地 伐採地
林道 廃林道 獣道 舞茸道
発電用ダム 取水飲用ダム 農業取水用ダム
遊んでいる山をいろいろ区別すると それぞれの
領域が在るのだな
そこに 岩魚 山女魚 が棲み 山菜が生育し
鳥 昆虫 動物、獣 (熊は動物から獣へ)
大自然がある
その 山は自然の一部だ その山に学び
そこに浸り 理解しようとしても いまだ無理のようだ
獣を学ぼうとして 草,木を学ぼうとして
岩魚を学ぼうとして でも それは とても学びきれる
自然ではない そこには 自然界それぞれの領域があるのだ
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中芝沢 源流部 滝上の落込み
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丸舞川 源流部 歩きやすいよ
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溪歩きの独り言
岩魚の舘
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阿部 正幸