6月14日 渇水の源頭を探る

   間伐で保育管理された杉造林地を横切り深緑の広葉樹林帯から今日の渓に下りる。本当に
  入りたい渓は熊の痕跡が多すぎて入り込めない。それでこの細い渓が今日の遊び場所。
  流れが例年の半分、流れがないのかなと覗くと細い流れが見える。
   ここまで来るのに熊の痕跡が一か所も無い、山菜を食んだ痕や糞がまるっきり見当たらない。
  それでも、熊スズを下げて、蚊取り線香を蒸して臭いも出していつもの用心にこしたことはない。

 

   あら、ら〜ら ウエーテングシューズが要らないくらい、長靴でも遡行できそう、岩魚が居るのかな。
 まず歩いてみようか、ここまで来たんだし。

 

  しばらくは仕掛けもセットしないで渓相を見ながらゆっくりと歩く。

 

  苔の生えている淵から更に水位が下がりきっているのが好く見える、瀬はまるっきり浅い。

 

   ちょっと深い淵が有ったので仕掛けをセット、カチカチクリクリと軽いアタリ、これは山女魚のアタリ、
  ゆっくりと合わせる。やっぱし山女魚、それもデカ山女魚、なんでここに山女魚。この源頭では初
  めてだ。

 

    広幅のデカ、下から遡上するには堰堤、小滝とちょっと無理、誰かの放流か、この奥に山女魚の
   放流?

 

 

   流れがチョロチョロでも低速シャッター8/1で撮ると充分な水量に写るんです。

 

  又、山女魚、どうしたんでしょうか、ここの渓は?。とりあえずこの2尾は持ち帰り、繁殖しないように。
  でも、持ち込み放流した人は繁殖が目的だと思うが。この先も山女魚が来るのかな。

 

 

  流れがもうちょっとあったら素晴らしい渓相なんです。

 

   きたあーー、このアタリは岩魚だ、やっぱし岩魚だよ、針のほかになんか咥えている。

 

   小魚を咥えた状態で針に付けたブドウムシに喰らい付いたのか。さすが岩魚、こうゆうところが
  岩魚なのだな。
   咥えていた小魚を取り出してみた、全体の皮が剥がれてしまって何の魚の子か分からない。
  もしかして、手前の淵で釣り上げた山女魚が つがい(番い)でその孵化稚魚かも知れない?
  それを岩魚が喰っている?

 

   ブナ原生林まで上ってきたようだ。もう山女魚は居ないだろう、ここは岩魚域なのだ。

 

 

    そーーら 岩魚が来たぞ、ここは岩魚域、岩魚の渓なのだ。職漁師の時代にその釣り師が
  滝上放流し自分の隠し沢として岩魚の繁殖をはかったのだろう。そこで今遊ばしてもらっているのだ。

 

 

    ほんとうにちょろちょろ、でも淵が深いと確実に自分のテリトリーを主張する岩魚君が居るよ。

 

 

   ちっちゃいのも、デカも淵毎に入って居る、さすが岩魚の沢、渓。

 

   カメラを通して見ると好い流、水深が無いので岩魚君も見えるよ。その岩魚を見ながら口元に
  針付餌を下ろす、即、喰らい付いて来る。

 

   ブナの混成林、陽は射し込まなく薄暗い。此処まで登ってきても熊の痕跡がゼロ、でも緊張しながら
  の釣行です。一休みしながらもホイッスルを甲高く引き鳴らす。

 

 

    小さい溜りの岩の下から飛び出てき。餌に喰らい付いたときはじゃぶじゃぶと流れから
   飛び出し状態で針掛かり。

 

 

    細い流れを1段、2段と下の溜りに引き下ろしてはいキャッチ、デカサイズ。

 

 

  今日の、1番、デカサイズ だけど泣きの29cm。顔は好い面してるのに、この渓では喰料不足で
  デッカクなれなかったかな。この面だったらもっとデカなのに。

 

 

   淵がちょっと大きいと待っている岩魚君もちょっと大きくなるようだ。淵の大小でなく、餌の量だよ
  と言ってるみたい。

 

 

   1mの落込み、淵がちょっと広い。そこからのちょっとデカ、周りに枝が出てないと中硬調竿の
  絞り込みを楽しめる。充分に絞り込ませて足元に引き寄せる。

 

 



 

   これも 泣きサイズ、30UPだと絵になるのに、いや画像になるのに。

 

  そろそろ魚止めが近くなってきた。2本の流れの小さい落込み。そこから出たのはちょっと小。

 

 

   ここも2本の流れの落込み、どちらもちょろちょろ、出て来た岩魚君もリリースサイズ。

 

 

   魚止めの小滝の手前の小さい淵、出てきたのはデカサイズ。次の魚止めがカラッポだったので
  今日最後の岩魚君。遊びに付き合ってくれてありがとう。

 

 

   熊の気配も痕跡も無く、ゆっくりこの細い渓を魚止め迄遡行できた。11日には熊の威嚇に唸られ
  撤退したり、痕跡の多さに又撤退したりだったが、今日の渓は11日の渓から直線距離で20km
  程、川、本流系は違う、渓の遡行2km、帰りの林道歩き2kmで熊の食み痕も糞も無し。
  何が違うのかな、この地区には居ないのか?  そんなはずはない居るんだ、たまたま、それが
  目に入らなかっただけ。用心、用心。

 



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