6月11日 熊に唸られて撤退、次の渓も喰み痕だらけ

   タケノコ採りと人身事故、今年の山菜シーズンは大変な事になっている。
   熊の棲息頭数が増えていることは確実だ。それに今年の山菜の生育で天候が高温多雨と生育
  にはもってこいの条件が揃ったようだ。もちろんタケノコの生育も早く出て早く成長、そこにタケノコ
  採りの集中と熊の喰いが重なったようだ。それでなくとも5月6月の熊の動きは小熊を連れて動きが
  活発でタケノコだけでなく他の山菜、特に茎の太く多肉多汁の山菜を食べるようだ。アザミ、シドケ、
  山ウド、エゾニュー、ミズ等々。喰み痕に多く見られる山菜で山菜採りの適期をちょっと過ぎて
  大きく太くなった頃に喰ってるようだ。特にエゾニューなんかが一番多い。
   それを承知で山渓に向かう岩魚バカ。今日も向う岩魚の渓に、岩魚と熊は共生してることは十分
  に認識してるのに。

 

   林道をバイクでゆっくりと進める。もう目に入るよ熊の痕跡、林道脇のフキ、野草の成長が例年より
  早く生い茂り、林道が狭まってきている。そこを熊が横切ったり、野草を食んだりした痕が多い。
   ダム上で通行ストップで車が入れなくなり山菜採り、釣り人、登山者等の入山が無く生息頭数の
  増えた熊が生活圏を広げて、全山生活圏としているようだ。

 

 

   林道脇の草むらで走り回った。そして山菜を喰い散らかした痕、1匹ではなく明らかに親子熊の
  痕、草も深いので分かりずらい。親熊でも四つん這いだとまるっきり見えないだろう。立ち上がれ
  ばやっと見えるかな。

 

 

   沢に入るともう岩魚バカ、 熊のことを忘れたように竿を振っている。
  居るんだよ即喰らい付いて竿を絞ってくれる。

 

 

  居るよ、そんなに大きくないが竿を振り回してくれる。

 

  ちょっと飲まれてしまって傷つけてしまった。ごめんごめんと流れに戻す。

 

 

   今日はここを釣り上るのではなく、ここから先の滝を巻いてから、その上を釣場として遊ぶつもりで
  入渓したつもり。

 

 

  高巻の前に十二分に遊ばせてもらったよ。

 

  

   一旦竿をタタミ、さあー高巻開始といつもの高巻ルートに取り付くと、りゃりゃなんだこりゃ〜
  熊の痕跡だ。そこいらじゅう、登る斜面がぐしゃぐしゃ状態。高巻ルートは人も熊も一緒かな。
  5m位の2連滝を巻くので20m位の斜面を巻くのだが今日は熊の痕だらけ。
   ホイッスルをヒュウー ヒュウー吹いて登ろうか、どうしようか迷っていると、斜面の上の方から
  ううーーうう ううーーううー と確かに熊の唸り声。確実に釣りバカを狙った熊の威嚇の唸りだ。
  ずうーと上の方だがこっちからはマルッキリ見えない。姿が見えないのだ、熊からは見えている
  かもしれない。止めよう、撤退だ、速く逃げようと、そおーーと下がる。
   熊からの威嚇を受けたのはこれで2度目。一回目が03年6月6日。細い渓を遡行中に左上の
  斜面からううーーう、ううーーう と威嚇に唸られた。その時は近いと感じたので怖かった。恐怖を
  感じて反対斜面をゆっくりと気は焦って攀じ登った。熊スプレーを手に持つ余裕すらなかったのだ。
  その時も熊の姿は確認できなかった。

 

   この斜面の上の方に居るはず、見えない。200mほど釣り上った渓を後ろを気にしながら下がり
  本流を渡渉しバイクの在る所まで戻る。はーは ハーーハ言いながら一休み。

 

   バイクで林道をしばらく下り、さっきの渓よりもっと細い渓に入る。
  渓沿いに荒廃した運材林道が有り比較的明るい渓に入ってみた。

  

  水量、流れは細い渓のわりには良好だ。熊ではなく岩魚が居るかも。

  

   居る居る、良型、沢が細いために渓を遡行できない。渓の脇を歩きながらちっちゃい淵、流れに
  餌を入れる。グリグリと喰い付き、咥えたままじっとして動かない。動く場所が無いのだ。
  中硬調竿を十分に絞って真上に引き上げる。

 

   連続して出て来るよ、釣り人が入って無いんだな。ダム入り口のチェンロックが掛かっているので
  バイクで入らないと入れないからかな。

 

   ここもやっぱりこの痕跡、沢にちょっと入ったらそこいらじゅうがこのアリサマだ。
  シドケ、アイコ、山ウド、それに太い山フキ、喰った痕。

 

   太いエゾニューの根の部分を喰って、その上の方はそこいらじゅうに散らかして敷きこんで
  寝っころがった痕。

 

 

  ホイッスルを吹き鳴らしながら竿を振る。やっぱし岩魚バカ、もうちょっと、もうちょっと と遡行する。

 

 

   岩魚を見ながらその顔の前に餌をそーーと下ろす。一瞬グリット喰らい付き流れの落ちる方に
  引き込んで行く。だけど引き込んで隠れるだけの場所も無く竿を立てる先に掛かってくる岩魚。

 

   熊の緊張感を抱えながらの緑濃い深緑の渓に竿を出し、熊の棲む森に岩魚も棲むのだと、
  自問自答しながら岩魚遊びをする岩魚バカ。

  

   細い渓は間伐された、杉植林地を通りそこを登りきると雑木広葉樹林。岩魚画像に枯れ杉が
  写っているのはその杉植林地からの枯れ枝、その荒廃林道が何本も有るので山全体が明るく陽が
  射し込んでいる。

 

   流れに餌を流すとそれを咥えて上流に向けて走る。小さい落込みを上りはじめるが竿を絞り
  きれずに元に引き戻される。

 

 

   この辺からが本番なのだが、熊の気配が感じられてきた。
  喰み痕も目立つようになってきた。
  そろそろ止めようかこの岩魚君で納竿としよう。

 

  上ろうとする先も食み痕、駄目だな、ホイッスルを吹きながら下がる。

 

 エゾニュー、シドケの食み痕、広いな親子熊だな、まだ新しい今朝の食事痕だ。 

 

    タケノコの次の好物、エゾニュー と山ウド。全部を食べる訳ではなく根っこに近い柔らかい部分
   を食べて固い部分は敷いて寝っころがって休むんだって。

  

  廃林道を熊スズを鳴らし、ホイッスルを吹き鳴らし、熊スプレーの固定ベルトを外し下る。

 

  下り荒廃林道、熊は見えない、見えたら大変だよ。

 

   山野草 フタリシズカ、ゆっくりし画像撮り、山野草にカメラを向けると気も休まるよ。 

 

   山野草 ギンリョウソー  群生地になっている、群生地は珍しいな。
   今日の最後は山野草に癒されて終了することができた。

 

   釣行される方、山菜採りをされる方、例年の山、渓とは熊の棲息状況が違いすぎます。
   充分に気を付けましょう。



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