8月10日 渓をわたる風はもう秋

 里は夏真っ盛り、毎日が猛暑。TVでは北京オリンピック、高校野球とこれも熱く盛り上がっている。
この暑い中、藪漕ぎ、狭い仙道の上り下りとやっぱり岩魚バカか。それでも車止めから40分で渓に
下り立つとそこは別世界。渓を吹き上げてくる風が心地好く、汗ばんだ岩魚バカの2人を包み込み
汗を拭き取ってくれる。
 倒木、流木が丁度よく仙道の橋になった、先月の大雨洪水注意報の時に上から流れ落ちた倒木
がここに引っ掛かったようだ。太さも丁度いい。それにしても、もう何人も渡っているような足跡。

 

 木々に覆われている深い渓も、陽が高くなにつれて水辺にも射し込む箇所もあり ギラギラと反射する
流れは眩しく岩魚の影を消しこんでしまう。



 影が足もとから走るのを眺めながらここまでノンビリ50分。ここからさらに本流から支流へと
入り、そろそろ竿を出すかと準備する。



 蝉の声も聞えない。鳥のさえずりも聴こえない。一瞬の静寂に、水の中を歩くにも音をもたて
ぬようソーット足を下ろし 竿を振る。ガリガリ グリグリ と竿を絞られてもユックリ竿を立てる。
この静けさを壊さないように。でも熊鈴だけはカーーン カーーン、チャリンチャリンと賑やかに
腰に下がって自己主張している。



 登っても、登っても、岩魚の舘、棲家、隠れ家の連続。右下の小滝が今日の支流1本目の魚止め、
この小さい淵に4本も入っていた。
 下左は2本目の支流の足止めの小滝、直登が無理、倒木も未だ乾いてなくてツルツル状態で
登れない。左右岩壁も取り付ける状態でない。倒木にナガサで刻み込みを入れれば登れるなと2人
で話したが無理をしないで諦める。

 



 ユラユラしているのが見えるんだ と言いながら餌を放り込む S氏。この後 ユックリ足もとに
引き寄せた。



 そろそろ、今日3本目の支流の魚止めが見えてきた。

 

 今日遊んでくれた岩魚達。









 花期が9月〜10月のキバナアキギリが咲いている。山の秋はもうそこまで来ているようだ。







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