6月14日  熊の気配と熊穴の渓


   雲が低く、白子森一帯を覆い尽くし、渓谷まで垂れ下がりガスッテイル状態だ、これでは
 入渓出来なくてしばらく車止めで待つ事にする。ノンビリと 熱いコーヒーを入れ、今日の大岩魚
 との格闘をタタンダ竿を右手に持ちながらその感触を楽しむかのように上下する。
 40分ほどで晴れてきた。


 

  曇っていてもガスが晴れると 濡れている木々とその葉が眩しいくらいの深緑を川面に
 映してくれる。
  その瀬尻に さっき思い描いたようなデッカイのが ユラリユラリと尾を揺らしている



  底に張り付いているのをデカ錘を追加して沈みこませ 喰わせる 同行のS氏。







 雨あがりの元気な岩魚たち



 



 今日の一番だけれど 29cmだった。



 アベレージが27〜28cmほどで、ほどよい感触です。









   たぶん 熊穴、 バフアナ、穴クマ猟の的になっているだろう。熊谷達也 直木賞受賞作
 『邂逅の森』の穴クマ猟を思いおこす。この渓が館のヒィールドの中で一番 クマの気配の
 感じる沢、渓だ。今日も、ミョウサクの食み痕が沢沿いに何箇所かあり、その度にホイッスルを
 鳴らしながらの釣行であった。最後は新しい食み痕がソコイラジュウにあるので ここいら辺りで
 止めようか、この草深い藪沢では鉢合わせになってしまいそうだな と同行のS氏。遠目では
 逢いたいが鉢合わせではイヤだな と 竿をたたむ事にした。



  ミョウサクの食み痕と寝転がって遊んだ痕。まだ新しい、どうも近くで俺達を見ているような気がする、
 早く下がったほうがよさそうだ。退散、退散、山菜道があるが、草むらでは危ないからと川通しで下がる。
  まだ、岩魚が居るのに、未練たらしく、それでも急ぎ足で沢を下る。


  この渓、一番の巨木、老木、一度折れて又枝が伸びた再生木。



  オオカメノキ と フタリシズカ    今年もヒトリシズカにお目にかかれなかった。

 





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