8月11日 やっと夏空、いっきに34℃

 台風5号後の居座り低気圧と梅雨明けと言いながら全然明けなかったグツツイタ空模様で、10日程、雨が降った。霧雨、時には豪雨と、渓は濁流と化し、完全に山釣り、岩魚釣りの気をそがれた。
 やっと晴れた。やっと夏空がやってきた。でも、本流は濁流だ。舘の主人は枝沢、藪沢専門だから、濁流の本流はを避け、藪沢への入渓路を確保している。崩落だらけの廃林道を落石を避けながらJimnyをセカンドギヤで進め、藪を掻き分け車止めらしいポイントに入れる。今日入る渓の山並みの向こうに夏空だ。



 入渓地点迄は仙道を1時間30分、ゆっくり登る。ここは、仙道と言っても木出し林道だったのが廃林道から仙道に。人の手が入らないと、崩落が進み、草が生え、木が生え、ここがかっては林道だった痕跡すら見出せない状態に。小さな自然回帰だ。どこかの広大な廃業スキー場跡地を人工的に開発前の自然状態に戻す工事、これって自然回帰かな?
それにしても、すごい藪、ナガサで枝を払い、足元を確かめながら進む。ところどころに熊の喰痕と草をなぎ倒して寝転んだ痕や、また仙道を歩き、我々の行く道を造ってくれたかのように踏み痕を付けてくれてある。もちろん釣り人の歩いた痕跡は皆無だ。



 予定よりちょっと早め、歩くこと1時間程で下降入渓する。藪漕ぎで汗をかき、早く下に降りたくて。20m程下の渓に滑るようにして降りた。本流は濁流なのに、ここは大雨後の増水が収まった丁度良い水量、水流。それでも渓の両岸は増水時にナギ倒された草がビッシリ下に向かって折り重なっている。通常の倍以上の増水があったようだ。岩魚釣りには最高の条件だ。濁流から身を隠していた岩魚達が瀬に出て、すきっ腹で餌を追っかけるだろう。



 岩魚は待っててくれた。昨年入渓した時も、2〜3年誰も入っていないのかと思えた程だったこの渓は、今日も充分楽しめそうだ。小さいのは1年魚の8cm程度から、中、そして30cmUPの3〜4年魚と思われる大まで、グイグイと中硬調の竿を絞ってくれる。中、小はその渓にお帰り願って、今回は大を燻製用にと山神様から頂いて来た、ありがとうございます。



 空中、邪魔な枝の無いポイントでは竿を立てユラリユラリと引き寄せ、ときには枝、葉でトンネルのようなポイントでは、竿をタタミ、最後は糸を手繰り寄せての取り込みだ。手で糸を握るときは緩めのドラッグ状態で握らないと切られてしまうので要領が必要になってくる、これが藪沢釣りの極意だ。



 この滝壷の主にしてはちょっと小さかった。もう1本ユラユラしていたがそれには竿を出さなかった。

 

 同行のS氏。彼も中硬調の軟らか目の竿を振る。





 この上にまだ居る、下降入渓から4時間で標高差150mをのんびりと遡行釣行し、この滝で納竿とした。



 今日、逢った花達。
 シロソバナ キキョウ科ツリガネニンジン属



 キバナアキギリ  と  オオカニコウモリ

 

 ホツツジ



 モミジガサ(秋田ではシドケ)



 下りの仙道(廃林道)は熱かった、風の入り込まない藪と緑のトンネル、サウナ状態の仙道をフーウフ、フーウフ言いながら、それでも途中上から流れ落ちる沢水で顔を冷やしながら、やっとJimnyに辿り着いた。
 下界は34℃、熱かったはずだ。


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