5月 8日  新緑に萌える渓と岩魚

 例年であれば今の時期、本流は雪代で渡河できないのに、今年のこの水量ならなんとかできそうだ。やっぱり春は確実に早かったようだ。峪すじから見える山々も、1〜2週間前には灰色の木々・枝ばかりだったのが、もう新緑だ。



 おもわず深呼吸してしまいます。木々が芽吹き、小鳥がさえずり、足をはこぶのに躊躇してしまうくらいに山野草が咲き、地面を覆い尽くしています。




   カタクリ                 イチリンソウ

    オオバキスミレ                         エンレイソウ

    スミレサイシン                         ミヤマカタバミ
                 ヤマエンゴサク


 枝沢に入ると、雪代はちょっと出ている程度で、濁りがちょうどいいささ濁り。景色の散策から釣りモードえの切り替えはすこぶる早い。



 途中、10m程の2連滝を大きく高巻きし30分でホームグランド到着。
水量がちょと多いのと、ささ濁りで姿こそ見えないが、気配はする。ポイント、ポイントに確実に入っていそうだ。



 最初に竿を絞ったのは、サビもすっかり取れた白く綺麗な26cm。今の時期の岩魚は餌不足からやせ細っているが、この一本目の岩魚は腹いっぱい喰っているとみえてマルマルとしている。



 次にきたのが、もっと白い。ほっそりとして尾びれだけがやけに大きい3年魚。ライシーズンには確実に30cmオーバーだなと、同行のSもうなずきながら流れに返してやる。



 頭から背中にかけて斑紋が乱れている泣きの29cm。太っていたので頂いてきた。



 やせ細っている岩魚2本。もっと太ってライシーズンもう一度来いよと流れにジャボンと戻す。4年魚となり確実に30オーバーになれる。


 5m程の魚止めの滝を左から高巻いてこの沢の源頭を望む。僅かに雪渓が残っている。その上に連滝が見える。この沢を登りつめると御衣森と白子森を結ぶ尾根に出るはず。標高で1000mは超える。



 早春とこのぬけるような青空で、ブナの芽吹きから新緑へ加速をつけて進むだろう。
山野草が花を付けるのも今のうち、枝・葉が伸びて、陽光が林床に届かなくなれば、春一番の山野草たちも姿を消す。



 ここまで3時間30分の遡行、釣行。斜面にへばりついて残っている雪渓に、消えかかった熊の足跡があった。熊の領域で遊んでいるのだから足跡が在るのは当たり前で、出たばかりのフキノトウなども喰い散らかしている。
 おにぎり昼食をして注意下山だ。今日も遊んだぞ、新緑の山・渓に感謝、感謝。

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