8月7日 沢屋が山に登る

 ひょんな事から山登りをすることになった。
 千葉に居る友人、登山のベテランで北、南アルプスと関東近県の山は登り尽くした
らしい、今度は東北の山だ、最初に足跡をつけたいと世界自然遺産白神山地に
行くから案内を頼む と言ってきた。
 沢は歩いているが登山道は歩いたことがない、歩いたことはないが白神に一番
近いところに居る沢屋は 任せなさい と軽く引き受けたのだった。
 白神に入るんだったら主峰白神岳に登ることだろうといろんなコース等をチェック
しているうちに白神岳(1235m)が登山初心者(ほんとうは初めての登山)には
容易でないことが徐々に解かってきた、これは大変なことになりそうだ。

 東京から友人2人で出発し、岩手の友人が合流し、
栗駒山登山をし3日目に3人で秋田入り。

 サンタランド白神のコテージに前泊です。



早朝4時30分のサンタランド白神
日本海から吹き上げてくるひんやりとした
風が一瞬にして目覚めさしてくれる。

遠くに今日登る白神山地の山並みが
朝靄のなかにうっすらと見える。



観光パンフレットにより登山口より山頂までの所要時間が3時間30分の案内と、
4時間15分のものとある、その違いは最後の水場からマテ山分岐までの45分が
記載されているのと、記載されていないものの違いのようだ。
我々は4時間15分を標準(普通の登山者)登山時間とした。
登山口広場ー45分ー分岐点ー45分ー最後の水場
ー45分ーマテ山分岐ー1時間45分ー十二湖分岐
ー15分ー頂上     4時間15分
登山道入り口が標高200mで頂上までの標高差1000mを6.5kmの登山道だ。
1000mを6.5kmで登る登山道がどれほどの
急坂で難コースか想像もしなかった。
リーダーのS氏はだいたい読んでいたようだ。

広場には既に20台ほど駐車している。
我々のスタートが遅いのだ。
8時スタートです。



最後の水場を過ぎて登山路はますます勾配がきつくなり、
足元は荒れた登山道にブナの根が剥き出状態、そのブナの根に脚を架け、
ロープを手繰り寄せながら一歩、一歩高度を上げます。
周りもガスッテきて前が見えないとますます脚が重くなり汗が
全身から噴出してくる

 

入り口から3km、やっと半分登った、あと3.5kmだ。
樹海の中、何も見えない、いやブナしか見えないのだ。
沢を遡行している時はブナが見え出すと岩魚も見えてくるので疲れも
吹っ飛ぶのに、登山路は何もない、
登山者は頂上に立ったとき感動を手にすることが出来るというが、
超初心者はそんなことを考える余裕すらない。

登山路に張られたロープにしがみつきながら一休み、
周りはブナだけ、風が入ってこない、ブナがうっとうしく思った事は無かったのに
雲が低く垂れ下がり青空も見えない。
渓歩きだったら樹幹の深緑に深呼吸をするのに。



やっとブナ樹林帯を出た、長かったトンネル
から抜け出したようだった。
西側の斜面です、残念ながら日本海は見えなかった。

 

あと700M、もうすこしだ。                       山頂だ

 やっと頂上。
トイレと非難小屋のところが頂上かなと思ったら更に5M程登って頂上です。
 10uほどの頂上は昼食中の登山者で立つ場所を探さなければならないほど
込み合っている。
 ここが世界自然遺産白神山地主峰白神岳山頂か、ただ、ただ、ふうふう言いながら
 、全身汗まみれになり、最後はよたよたとなりながら登った山か。
3時間50分で頂上に立った、リーダーのS氏は3時間30分と予定していたようだ
登山超初心者が20分足をひっぱたようだ。
 やっぱり 登った 登ったぞ という感動は無かった、やっと皆に着いて来たと、
肩で息をしている自分だった。
 昼食の食欲も無い、おにぎり1個をやっとほおばる。
 下山は2時間50分で無事降りた。
  こうして、この夏の最大イベントの山登りが終わりました。


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