6月19日  棲む渓へ


植林されてない山の軌道跡を進む、もう朽ちて今にも崩れ落ちそうに
狭い渓に架った橋、それでも人の一人二人はまだ渡してくれそう。

木出し軌道だったようだ、その後植林されてないから山は雑木で
うっそうとした薄暗いまったく見通のきかない森だ。

40分程歩いたら軌道跡が消えた、ここから入渓です。



好天が続き水量が極端に少なくなって落ち込みでも水面はカガミの
ように周りの緑を映しています。岩魚がちょっとでも深みのある
落ち込みに集まっているのか3本がノンビリとゆらゆらしている。
こっちも低く構えてそろっと餌を下ろしたらスーウット寄ってパクと
喰いついた、一気に引き抜いたがちょっとバジャバジャしてしまった、
2本目を狙ったがやっぱり無理だった。



熊の痕跡。
ミョウサクの多い沢です。ミョウサクの柔らかい芽を喰いちぎり、昼寝でも
したのだろうか、それとも親子熊の遊んだ跡か、ミョウサクの群生地に必ず
熊の噛み跡。
今日も熊と共存の中で釣りをしています、熊のテリトリーの中に舘の主人のホーム
グランドがドップリ浸かっています、共存と言っても逢いたくないから熊鈴をガラン
ガラン、カンカン鳴らし、痕跡が新しいとホイッスルを鳴らし、

緊張感の中で遡行します。



館の主人の熊対策
常時携帯しています

熊鈴 高音と低音の2種で鳴らしています
熊スプレー カウンターアソールト

又鬼山刀 フクロナガサ7寸 握りにレザーを細切りにして巻いています

     元々は熊さんの領域、そこへ岩魚と遊びたいからと無理なお願いをして山に入り込んで
     いるんだから。



山の神と山親父からの頂き物。緊張感を覚える山ほど岩魚を育むようだ

足元から又竿先から影が走る、魚影は非常に濃く、ここまで足を踏み入れた
釣り人が2年くらい居なかったのかもしれない、リリースサイズも掛かってくるが
アベレージが3、4年魚だ。魚止めを見たくてどんどん釣り上がった



途中から2本の枝分かれ、同行のSが右に釣りあがり
自分が左へ、落ち込み毎に飛び出してくる。
200m程でこの滝、5m程の落差で水量が少ないせいか滝つぼは小さく、周りが枝で
囲まれて竿を出し難く、障害物に守られたポイントのようだしかし、ここまで来た釣り人は
ここが魚止めの滝かと竿だしの方向を探り餌を放り込む。やっぱり居た、魚止めの主が、
邪魔な枝を避けて糸を手繰り寄せた、泣きの29cm。

 もしかするとこの上にも居るかもしれない、先人が放流しているかも、それは次回の楽
しみとしよう。

 ここを下がって右に釣り上がったS氏の後を追う、途中まで下がるとS氏が登ってきた。
真新しいミョウサクの食む跡があり危なくて下りてきた と、でも岩魚はまだまだ先まで
居るようだ、魚止めはズート先だ、と残念がっている。
 怖いもの見たさでもうちょっと登ってみたいのだが、あまり深追いしないでこの辺で止め
ようと竿をたたむ事にする。



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