11月 6日  イワナ 恋のアクアダンス

久しぶりの晴天、禁漁期間に入り1ヶ月半
なんとなく手持ちぶたさを感じる頃
岩魚の姿が恋しくなり
落ち葉が敷き詰められ、枯葉が風に舞う林道に入る
キノコ採りも終盤か、その車もいない
静かな山、しずかな渓
瀬音だけの世界
時折カワガラスのさえずり
川面をはしりながらチィッチッチ、チィッチッチ
岩魚もノンビリと瀬に出ている
棒切れを持ちジャブ、ジャブと渓を渡り歩くモノも居ない
流れに身を任せ、それでいてしっかりと己の居場所を確保している
流れてくる餌は確実に口にする
サラリーマン世界を垣間見たようだ

おーおー、やっている、やっている
恋のアクアダンスだ
それも大勢で、ダンス、ダンス、ダンス

砂、石堀で背にキズの岩魚が異様に目立つ
新たな命を育むため
ちょっと乱暴なダンスに見える
時々バシャと水面に背びれを出す
5〜6匹が塊になる、今が産卵だろう

竿を振りたい
餌を振り込みたい
弓なりの感触、手首から肩に
ネットをかまえる
やったー
ふーーう と我にかえる
春まで待っていろ
もっと増えろ、がんばれ
もっと大きくなれ、腹いっぱい喰え
まるっきり釣り人の欲
いや、自分の欲

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